FSC認証国内基準草案1

 

はじめに

 

 森林認証は、独立した信頼のおける非政府組織、民間会社が認証機関となって行うもので、国際的に認められた森林管理の原則と規準に従って行われている。国際的認証基準は、信頼性の確保を目的として、1993年に設立した 国際的NGOであるFOREST STEWARDSHIP COUNCIL(FSC、森林管理協議会)が策定している。FSCは、認証基準に基づいて世界の森林管理や流通過程が正しく認証されているかどうかを監督する機関であり、また個別の認証機関の認定や評価を行う。FSCは、環境保全の点から見て適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を推進することを目的としている。このような森林管理がなされているかどうかを信頼できるシステムで評価し、適切な管理がなされている森林を認証する。そして、この森林から産出された木材・木材製品に独自のロゴマークを付け、幅広く消費者に流通させようとするものである。世界の森林保全へ向け、森林管理者から、木材・木材製品の消費者に至るさまざまな関係者を一体化しようとする取り組みである。FSCの決定がいかなる偏った利益にも影響されないように、経済、環境、社会の3つの分野の平等でバランスの取れた代表によって構成されている。

 

 本国内基準草案1は、本来我が国のFSCメンバーを中心としたWorking Group(以下、WG)によって作成されるべきものであるが、メンバーが未だ3機関のみという現状から、WWF-JAPANと富村環境事務所がその第1次草案を作成し、今後NGOをはじめ、林業関係者・研究者等に意見を求め、各分野からの指摘事項を反映したバランスのとれた内容に絞り上げるためのたたき台として作成したものである。そして国内基準は、この間、我が国のFSCメンバーが増えた段階で、経済・環境・社会の各分野からバランスの取れたメンバーが過半数を占めるWGで決定されるべきものである。

 また、本草案1はFSCの原則と規準(下記概要、巻末英文・仮訳参照)に則り、その構成に従っている。

 

 さらに、本認証基準は、我が国の林業の振興と健全な森林づくりに寄与するものとして機能する。従って、優良な森林管理を行っている経営体やその対象森林の認証取得を推し進めるのは当然のこととし、認証を通じて森林の管理レベルを向上させようとする林業家や小規模林家を集めたグループ認証を推進する森林資源管理者の不断の経営努力・森林構造の改善等を積極的に支援するものである。

 

 なお、本基準は、我が国で林業が主に展開されている人工林施業に適応するものとして作成したものであるが、汎用性を有するため、天然林施業においても適応すべきものである。

 

人工林をターゲットとしたため、以下の草案には「原則10:植林」は含まれていません。文中で対応できるように工夫していますがこれでよいのでしょうか? また、北海道〜沖縄、有雪地と無雪地、高標高地など地域的な差が大きい我が国ですが、基本的な林業スタイルは変わらないとしても、自然・社会条件が異なることから、別に地域基準を作成する必要があるのでしょうか?

 

 以下、草案の全文と青字の記述を中心に、ご意見・改善案等をお寄せください。

 

 

FSCの本部は、メキシコ・オアハカに設置され、会員は49カ国356機関/人(1999年11月現在)、南北間の不公平是正をするために、ここには南の国からの委員が多く選ばれている。FSCに認定された認証機関によりこれまで認証された森林は、30カ国、210カ所を超え、総面積は約1,800万ヘクタールである(2000年1月現在)。現在、世界で10の認証機関がある。

 

「森林管理に関するFSCの原則」の概要

 「森林管理に関するFSCの原則」は次に示すような10項目からなり、それぞれの原則に3〜10(合計56)の規準がついている。

@法律とFSCの原則の順守

 森林管理は、すべての森林関連法及びすべての国際条約を順守するとともに、FSCの原則と規準に沿うものであること。

A保有権、使用権および責務

  土地や森林資源に対する長期的保有や使用権が明確に規定され、文書化され、また法的に確立されていること。

B先住民の権利

 先住民が、その土地・テリトリー、資源を所有・利用、そして管理する法的および慣習的権利が認められ、尊重されること。

C地域社会との関係と労働者の権利

 森林管理は、林業に従事するものと地域社会が、長期にわたり社会的・経済的に十分な便益を得られる状態を継続、あるいは高めるものであること。

D森林のもたらす便益

 森林管理は、経済的な継続性と、環境や社会が享受している様々な便益とを確保できるよう、森林から得られる多様な財やサービスの効果的な利用を促進するものであること。

E環境への影響

 森林管理は、生物の多様性とそれに付随する価値、水資源、土壌など生態的な機能や森林の健全さを維持するものであること。

F管理計画

 森林管理計画が文書化され、それに沿って事業が実施され、そして常に更新されること。また、長期的な見地に立った管理目標、目標達成のための手段が明確に提示されていること。

Gモニタリングと評価

 森林管理の規模と内容に応じた適切なモニタリングが、森林の状態、林産物の生産量、生産・加工・流通各段階、管理作業およびそれらの社会・環境に与える影響を常に評価するために行われること。

H保護価値の高い森林の保存

 保護価値の高い森林の管理は、その森林の特質を維持、高めるものでなければならない。保護価値の高い森林の取り扱いは、常に慎重に行われなければならないこと。

I植林

 植林は、原則1から9及び原則10とその規準とに従って計画・管理されるものとする。植林は、社会的・経済的便益を提供し、世界の林産物需要を満たすとともに、天然林の管理を補助し、天然林への利用圧を軽減し、その復元および保全を推進するものであること。

 

 


 

国内基準草案1

補足説明

参照事項・解決すべき課題

原則#1. 法律とFSCの原則の遵守

 

森林管理は、我が国の全ての法律及び我が国が調印した全ての国際条約や合意を遵守する。また、FSCの原則と規準にも従う。

 

 

1.1 森林管理は、全ての国際法、国内法及び各自治体の条例や行政的要求事項を遵守する。

1.1.a 森林管理計画は、全ての国際法、国内法及び各自治体の条例や行政的要求事項に従わなければならない。

1.1.b これらの法律と、個人の法的責任について、森林管理に従事する職員は、それを習熟する機会とトレーニングを受けなければならない。

1.1.c 森林管理規模による差や環境条件の違い、管理レベルの違い等に関わらず、管理計画、木材収穫、植栽、森林環境保全、林道計画・建設、維持活動、農薬の使用等といったことが、国や自治体の法規制に従っているかを確かめなければならない。

1.1.d 森林管理者は、森林管理における必要事項について行政機関や森林組合等各種関係機関との取り決めの記録を保有しておかなければならない。

 

遵守すべき法律のリストは右記を参照。

国際法:ワシントン条約(CITES)、ILO条約、国際熱帯木材協定(ITTA)、生物多様性条約、ラムサール条約、世界遺産条約、ボン条約等その他国際法は?

国内法:林業基本法、森林法、森林の保健機能の増進に関する特別措置法、森林組合法、種苗法、森林害虫等防除法、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、林業労働力の確保の促進に関する法律、自然環境保全法、自然公園法、砂防法、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、文化財保護法、アイヌ新法、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律等その他国内法は?

地域的権利:漁業権、水利権、伝統的利用権等その他の権利は?

1.2 関連する法的に規定された料金、ローヤリティ、税そして他の費用は、全て払わなければならない。

1.2.a 税金、特許使用料など森林管理に請求されたものについては、国や地方自治の法令に則って、速やかに支払わなければならない。

 

 

1.3 CITES、ILO条約、ITTA、生物多様性条約等の国際的取り決めへの加盟国は、それらで、規定されているすべての事項に従わなければならない。

1.3a 森林管理者は、拘束力のある国際条約や協定を遵守し、更新のある場合や新規条約の制定等に対して迅速に対応しなければならない。

1.3.b 森林管理は、全ての条約や協定の精神と意図に沿ったものでなくてはならない。

1.3.c 森林管理に従事するものは、法的な責任と条約の施行義務に習熟する機会を持ち、訓練されなければならない。

 

 

1.4 法律および規則と「FSCの原則と規準」とが整合しない場合は、認証制度の目的に沿い、各場合に応じ、認証機関及び関連組織により評価されなければならない。

1.4.a 「FSCの原則と規準 」と国の法律や地方自治体の条例間の摩擦は、我が国のWGやNational Initiativeの仲裁に委ねる。

1.4.b 我が国FSC関係者は、森林管理者からの相談を真摯にうけとめ、FSC本部との連絡を取りながらその仲裁に当らなければならない。

 

 

 

 

 

我が国で、林業と法令間に摩擦あるか?あるならどのように解決しているのか?

1.5 森林管理地域は、不法伐採、移住(/定住)、そして他の無許可の行為から保護されなければならない。

1.5.a 森林管理過程において認可されていない行為・活動は、森林管理者や保護・回避活動に責任のある公的機関に報告されなくてはならない。その場合、必要な保護措置がとられたということを確かめる所定の書類に記録されなければならない。

 

 

.6 森林管理者は、「FSCの原則と規準」を長期にわたり厳守することを立証しなければならない。

1.6.a 森林管理者は、管理計画かその他の文書によって、「 FSCの原則と基準」の全面的な理解を表明しなくてはならない。

 

 

 

 

 

森林管理計画には、長期的な森林生育と実務的な収穫計画を含む。

また,年次計画として整える必要がある。

 

 


 

国内基準草案1

補足説明

参照事項・解決すべき課題

原則#2. 保有権、使用権および責務

 

 土地や森林資源に対する長期にわたる保有や使用の権利は、明確に規定されるとともに文書化され、また法的に確立されることが必要である。

 

 

2.1 対象となる土地を長期にわたり森林として使用する権利(土地の所有権、慣習上の権利、賃貸契約など)が明確に立証されていなければならない。

2.1.a 森林資源の使用と森林管理の権利を保証する証拠資料が提示されなくてはならない。

2.1.b 保有権については明確な地域区画を有していなければならない。そうでない場合は、他の森林所有者もまた認証の過程に参加しなくてはならない。

2.1.c いかなる場合も、保有権の範囲や管理地域の変更は、認証の見直しを必要とする。

 

 

 

 

 

 

 

地区の広さは、森林管理者がFSC の原則と規準を尊重した上で、木々から景観レベルまで管理できる範囲として認証に供するべきである。

小規模林業地を集めたグループ認証においては、所有権の提示と管理区域の明示が必要で、長期にわたる管理区域の保有が小規模林業家の意思で変更されないことが望まれるが、相続税などの発生で管理区域の変更が止む無く生じる場合には、持続的な林業に与える影響の程度を勘案して認証機関やFSC本部にNational Initiativeを通じて認証の見直しの是非を確認する必要がある。?

FSC認証においては、森林管理と作業両方において、森林が健全であるように、事前から責任を持たなくてはならない。長期的管理を保障する安定した森林や林地の保有状態を永続的に確保できるか、我が国では森林組合などが資源管理者として機能する場合、特にこのことに留意しなくてはならない。?

2.2 法的、慣習的保有権あるいは使用権を有する地域社会が、地域社会の権利あるいは資源を保全するために、森林施業を継続して統御できなければならない。ただし、地域社会が、自由意志により、同意を行った上で、管理を他の機関に委託した場合を除く。

2.2.a 森林管理者は、法的習慣的保有権とその森林管理地域における作業などを地域関係者と協議しながら調査しなければならない。

2.2.b 森林管理者は、他の保有権や、習慣的使用を重視し、その資源の管理にFSC基準を適用していく上で、地域社会に協力しなければならない。

2.2.c 地域住民の法的に認められた公の森林使用は、きちんとした手続きと話し合いの上で尊重されなければならない。

2.2.d 地域住民の法的権利のない持続的で習慣的な森林使用は、所有地においても考慮されなければならない。

2.2.e 私有地が関係するところでは、森林管理者は、公平な目から地主の権利と、公的な義務を果たさなければならない。

2.2.f 全ての法的なそして習慣的な森林利用者は、その権利や使用に関わる森林管理に対して、積極的に審議に関わらなければならない。

2.2.g 森林管理に対する自由意志における十分な合意が、その関わる法的、習慣的・伝統的使用権の所有者たちから得られ、その権利が守られたという証拠が明示されなければならない。

 

通行権、水利権、園芸的植物収穫の権利、狩猟権、漁業権、渓流管理の権利と義務等その他権利?

ハイキング道、レクリエーション利用、公道へのアクセス路、景勝地へのアクセス路、文化的遺産や歴史的価値の高い地区、木ノ実や他の園芸的植物の採取、先住民(我が国の場合はアイヌ)の伝統的使用・精神的に意味のある地域等その他?

使用者達は、森林管理について説明され、施業のバランスを考慮して、見直しを求めたり意見を言ったりすることができる。全ての、森林に関する意見は、口頭であれ文書であれ保管されなくてはならない。?

 

2.3 保有権に関しての主張や使用権に関する論争を解決するため、適切な手段が整備されていなければならない。認証評価の際には、あらゆる未解決論争についての詳細や状況が全て考慮に入れられる。重大な利害関係を含む重要な論争が未解決の場合、通常、管理に関する認証は不的確とされる。

2.3.a 以前の、そして現在の土地使用、保有権使用と権利に関する論議は全て記録されていなければならない。森林管理者は、知っている限りの論争を認証機関に公開しなくてはならない。

2.3.b 文書化されたシステムとそれに従った方法で、論争は解決されなくてはならない。

2.3.c 森林管理者は、その施業に対する意見を抑制する、軽率な起訴に関わってはならない。メリットの少ないマイナーな事象について行政検査、上訴、起訴に頼ってはならない。関係者との事前の十分な話し合いを行わなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異論の多い問題については、認証が与えられる前に解決するのが森林管理者の責任である。

 

 

 

 


 

国内基準草案1

補足説明

参照事項・解決すべき課題

原則#3. 先住民の権利

 

 先住民が、彼らの土地やテリトリー、資源を所有、利用、そして管理する法的及び慣習的権利が認められ、尊重されること。

 

 

我が国ではアイヌ民族が該当するが、1997年4月に成立したアイヌ新法でも、アイヌ民族の先住性を歴史的事実として認める参議院の付帯決議が付いているだけで、アイヌ民族の所有する土地や森林などは現に存在しない。したがって、森林管理にあったっては、アイヌ民族が聖地としてきた土地や森林・河川・渓流からの祭りや催しのための伝統的な生物の採取などが残っており、これらの土地や森林が管理地域に含まれるかどうかの確認と、含まれる場合にはその権利の保障を行うことがあげられる。

ただし、アイヌ民族の聖地や慣習的な森林収穫物採取は何処か、その地域の正確な場所をアイヌ関係者に聞かなければ分からないことから、北東北から北海道にかけての認証にあっては、これらをアイヌ関係者から聞き取りし、彼らの伝統的森林文化を尊重することが求められる。

 

アイヌ新法:アイヌ文化振興法は、民族の誇りが尊重される社会の実現と、多様な文化の発展に寄与することを立法目的とし、アイヌ文化の振興は国と地方自治体の責務であることを明文化した法律である。1997年4月4日に参議院で、同5月8日に衆議院で可決され、成立した。
 この法律に則して、北海道は97年夏ごろまでに「財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構」(仮称)を設立し、同財団は同法の唯一の指定財団として、国と共にアイヌ文化の伝承者育成、調査研究などを行う。また、同法の成立によって、北海道旧土人保護法は廃止された。
アイヌ新法制定は長年、権利回復を求めてきたアイヌ民族たちの悲願だったが、法の内容は、「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」の答申 (96年4月)よりさらに後退した文化振興法にとどまり、先住性についての記述は一切なされなかったため、参議院ではこの点を補足すべく、アイヌ民族の先住性を歴史的事実として認める付帯決議も合わせて行われた。

 

我が国では、アイヌ民族のほかに先住民あるか?

3.1 先住民の土地やテリトリーについては、先住民が森林管理の統御を行えるものとする。ただし、先住民が、自由意志により、情報に基づいた同意をしたうえで、管理を他の機関に委託している場合を除く。

 

 

3.2 森林管理は、直接的あるいは間接的を問わず、先住民の使用資源を脅かしてはならないとともに縮小してもならない。

3.2.a 森林管理のための調査、目録作成、計画作りなどは、先住民(文化的遺産に限らず;伝統的資源;伝統的使用地;環境影響監査;林業システムと収穫方法の選択;農薬と除草剤の使用)との全面的な協議と参加をもって行われなくてはならない。

3.2.b 生物の多様性、土壌、水質、漁業、文化的重要地区への影響を調査するためのプログラムは、適切な先住民関係機関との協議と参加のもと開発されなくてはならない。

3.2.c 林業活動によってエコシステムや文化的に重要な地区や伝統的な資源に損害を与えたとしたら、適切な先住民関係機関と協議し、彼らの満足する結果を得なくてはならない。

3.2.d 森林管理者は、知られていなかった文化的重要な地域または環境的価値のあるものに、林業作業中につきあたり、それを危険に晒しそうなときは、速やかにその作業を止め、先住民の伝統的慣習を尊重しなくてはならない。

3.2.e 地元の林業従業者、管理者など他認証を求める従業員は、他の契約者も含めて先住民の森林管理に対する考え方のワークショップに参加し、その文化全般について林業を始める前に知らなくてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

アイヌ民族と文化に関する組織は、「財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構」、「北海道ウタリ協会」、「道庁アイヌ施策推進室」などがある。

3.3 先住民にとり、文化的、生態的、経済的あるいは宗教的に重要な意味をもつ特別な土地に関しては、先住民との間で明確に確認されなければならない。また、森林管理者はこれを承認するとともに、保護しなければならない。

3.3.aいかなる計画が完成する前にも、先住民にとっての、その地における文化的、生態的、経済的、精神的重要性のある場所を特定し、評価しなくてはならない。

3.3.b 文化的に重要な地区の定義は、その存在や特別性が口頭伝統や口頭証言によるものも、実質的なものや書面で表されているものも区別しない。

3.3.c 先住民によって認定された文化的に重要な地区は、先住民が納得する、そこに相応しい使用のされかたを保護しなくてはならない。

3.3.d 先住民が伝統的に聖地にしている場所や慣習に基づいて森林収穫物を採取している場所では、その権利を尊重するものとする。

3.3.e 森林管理における先住民の参加のためのシステムを作るときは、それを尊重しなくてはならない。

3.3.f 文化的に重要な地区は森林管理のための地図に明確に記されなくてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイヌ民族が「カムイコタン」、「チノミシリ」と呼ぶ聖地における森林管理は、彼らの森林収穫物採取権利を守るため、森林施業がそれらの採取物を育てる素地を形成していることが肝要である。

 

3.4 先住民は、彼等が持つ森林に生息する種の利用方法や、森林の管理方法に関する伝統的な知識が使用された場合には、それらについての代償を受けなければならない。この代償については、森林管理を開始する以前に、先住民の、自由意志による、情報に基づいた正式な同意を得なければならない。

3.4.a 伝統的なエコシステムの管理法や知識は、林業計画、管理、目録作り、調査・観察全てに活かされなくてはならない。

3.4.b 先住民は、その伝統的な生態的な知識、知的権利の提供に対して、相応しい報酬を受けなくてはならない。この報酬には、彼らのもつ知識によって生まれた製品や仕事への、公平な還元も含まれる。

3.4.d 全ての森林管理者と認証者は、先住民がその伝統的な知識を外部の者と分かち合うことを拒む時、これを尊重しなくてはならない。

 

 

 

 


 

国内基準草案1

補足説明

参照事項・解決すべき課題

原則#4. 地域社会との関係と労働者の権利

 

 森林管理は、林業に従事するものと地域社会が、長期にわたり社会的、そして経済的に十分な便益を得られる状態を継続、あるいは高めるものであること。

森林計画は、育林、収穫、木材加工を含む全ての過程において、地元での雇用を奨励する。森林計画は、木材以外の森林からの生産の可能性を除外しない。森林管理者は、地元社会とともに、森林の使用とバランスのとれた経済計画を考える。

 

 

4.1 森林管理区域内の地域社会、もしくは隣接する地域社会に、雇用、訓練そして他のサービスを受ける機会が与えられなければならない。

4.1.a 森林管理者は、地元の人や企業に雇用や契約に関する機会を積極的に与えなくてはならない。

4.1.b 森林管理者は、施業に関わる地元の企業を優先的に使わなければならない。

4.1.c 森林管理者は、労働者と請負業者等の地元社会に、地元の大学や専門学校といった教育・訓練の場と提携して、訓練の機会を与えなければならない。

4.1.d 森林管理者は、労働者と請負業者に対して、地元の基準からしても妥当な給与と付随する手当て(健康保険、退職金、労災、住居等)を与えねばならない。

4.1.e 森林管理方針として、人力に代わる機材の導入や、人材採用、訓練、教育にかかる事項を明確に示さなくてはならない。

4.1.f 森林管理者は、地元社会に狩り、釣り、リクリエーション、木工細工、食物採取、水使用等木材ではない資源の利用を確保しておかなくてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

地元の保険、銀行、投資機関などまでは含めなくて良いか?

 

 

 

 

I、Jターン者も、若者労働力が地域活性化を促す意味合いからも、積極的に受け入れるべきと思うが?

4.2 森林管理は、労働者やその家族の健康や安全に関する全ての関連法律や関連規則を満さなければならない。

4.2.a 森林管理者は、労働者の安全を最優先とする基本方針を立てなければならない。また、労働環境はその地方の基準と同等かそれ以上でなくてはならない。

4.2.b 森林管理者は、全ての労働者に適切な安全装備を支給するか、請負従事者には契約の段階で安全基準の遵守を要求しなくてはならない。

4.2.c 森林所有者、管理者、そして請負業者は、第三者の適切な保険に加入しなくてはならない。

4.2.d 森林管理者は、従業員や請負従事者も含めて、自らと労働者及びその家族の健康と安全確保するように努めなければならない。

 

 

 

積極的な安全管理は、教育、要綱の見直し、環境改善などを含む。健康・安全基準を守ることが他の管理条項と対立する場合は、双方の見直し、または速やかな活動の停止が求められる。

労働関係法:

労働基準法、男女雇用均等法、賃金の支払の確保に関する法律、労働安全衛生法、派遣労働者に関する法律、労働組合法、雇用保険法等その他?

ILO条約(日本が批准したもの):

最低年齢条約、労働者補償条約、労働監督条約、職業安定組織条約、結社の自由及び団結権保護条約、最低賃金決定条約、衛生条約その他?

 

4.3  労働組合を組織し、雇用主との自発的な交渉を行う労働者の権利は、ILO条約第87、98で概説されているように、保証されなければならない。

4.3.a 森林管理者は、ILOの協定第87と第98に基づき、その従業員が自由に労働組合を作り、または自らの選択で参加し、団体交渉をする権利を妨げてはならない。

 

ILO協定第87号.98号:結社の自由・団体交渉権・ストライキ権等。日本の批准は第87号だけなのに、ある日本の医療機関では第98号に基づき勧告を受けている。第98号は我が国として遵守すべきものか、または批准してなくてもILOは勧告を発せられるのか?

4.4 管理計画や管理方法は、社会的な影響に関する評価結果に配慮がなされなければならない。森林管理により直接影響を受ける人々やグループとの協議は継続して行わなければならない。

4.4.a 森林管理計画には、森林経営を基盤にした地域の雇用促進等の社会的目標があり、このための指針と基準を準備し、管理者の達成程度を測らなければならない。

4.4.b 森林管理計画は、自然資源の利用と保護に関しても地域計画との整合や地元での協議で評価されなければならない。

4.4.c 労働者とその組合は、森林管理計画や他の管理上の決断、方向性など、彼らの関心事に影響を与えそうな際に適切に参加し、意見を具申することができる。

4.4.d 森林管理者は、地元からの提案や意見の全てを書面・口頭に関わらず記録し、それが如何に森林管理計画に反映されたかを示さなくてはならない。

 

 

 

 

 

管理者側ばかりでなく、地域の関係者が評価する場合には、地域社会の中での協議に委ねられる。

 

 

 

 

 

 

地域関係者が当該森林管理計画を評価するシステムの現実例あるか?

 

小規模所有者を集めたグループ認証において、資源管理者(Resource Manager)を雇用者としたとき、被雇用者は誰で、どのような契約関係にあるのか、あいまいな場合が生じやすい?

 

4.5 法的あるいは慣習的な権利、財産、資源、地域住民の所有する家畜などに対し損害を与えた場合における、苦情の処理及び公平な補償が行えるよう適切な方法が整備されていなければならない。このような損害を回避する手段がとられなければならない。

4.5.a 森林管理者やその従業者の不注意で地元の個人や団体の権利、地所、資源または住環境に損害が生じた場合は、管理者はその関係者に補償しなくてはならない。

 

 

4.5.b 林業全般にわたる作業や、環境配慮、その他林産物収穫、管理下の土地利用、権利関係などを整理し、森林管理が与える地元への損害リスクを考慮しなければならない。

4.5.c 森林管理者は、管理計画の一環として、論争解決方針を決定しておかなければならない。

 

 

 

 

 

 

管理者は、基本的な環境機能(水質や水量など)を回復させ、収入の損失を補い、そのほか管理下資源の損害の補償を行う。

一定の基準又はチェックリストを作成が必要。

 

方針には、損害の実際的で効果的(例:損害を受けた側が、金のかかる訴訟等の手段に踏み切らなくてもよい)な査定や補償の手順・方法を記載すべきである。この際、独立した中立の仲裁人、鑑定人、調査官の採用が奨励される。

 

 

 

 

 

 

補償に関する法律・条例等あるか?

 

 


 

国内基準草案1

補足説明

参照事項・解決すべき課題

原則#5. 森林のもたらす便益

 

 森林管理は、経済的な継続性と、環境や社会が享受しているさまざまな便益とを確保できるよう、森林から得られる多様な生産物やサービスの効果的な利用を促進するものであること。

 

 

5.1 森林管理は、経済的に継続できるように努力されなければならない。またその一方で、生産にかかる全ての環境、社会そして管理費用に配慮するとともに、森林の生態的な生産性を維持するために必要な投資が確実に行われなければならない。

5.1.a 経済的継続性が長期にわたって維持され、そのことによって森林のもつ社会的、環境的恩恵が長期間保証されるようにしなくてはならない。

5.1.b 当座の現金収入、製材所への木材の供給といった短期的な対応が、森林資源全体の長期にわたる持続性に支障を与えるような管理を行ってはならない。

5.1.c 経済的にも環境的にも持続性のない施業を行ってはならない。

5.1.d 環境的・社会的配慮のための森林管理の総コストは、現在のそして将来的な予算の中に含まれ計算されなくてはならない。

5.1.e 木材収入が、ゆとりのある財源となり、森林経営へに再投資を繰り返しながらの長期の持続性を保証しなければならない。つまり、収穫、育苗、育林、林道の維持・改修、林業機械の更新、土壌侵食防止と肥沃度の維持、生態的機能の維持、林産物生産、そして各種調査や書類作成などの管理活動を常に支えるものでなくてはならない。

5.1.g 森林管理者は、木材生産にかかる正しいコスト計算を常に怠ってはならない。

5.1.h 損益計算書、貸借対照表など、経営に関わるコスト、利益、資産の査定基準と書類は常に調え、モニタリングしなくてはならない。

5.1.i 管理地の土地条件を十分把握し、森林の健全性と生産性を最高のレベルまで維持するための調査や管理技術の適応を効果的に行わなければならない。

5.1.j 林業機械の更新やメンテナンス等、基幹施設への投資が環境汚染や生態的な悪影響を及ぼさないこと、そして社会的貢献や雇用への影響も最小限に抑えなければならない。

 

戦後拡大造林された人工林が、3040年生の一斉林となっているところでは、将来長伐期化するとしても、林齢構成が法正化するまでは、経済的に価値のない林を切り、新植を行わなければならないという経費が発生し、少なくとも20年間は経済的な安定は得られない。経済的持続性をどの時点で評価し、認証するか、日本林業認証の根幹に関わる問題だと思うが?

それとも、日本林業の今日的な課題は受け止めて、認証を契機として森林の管理レベルが確実に向上し、年次監査や5年ごとの監査に確実に進歩が認められるかどうか、その可能性と森林資源管理者の熱意や工夫、組織の安定性など、他の指標で評価する必要があるか?

 

5.2 森林管理と流通事業は、森林がもたらす多様な生産物を最大限に活用するとともに、地域での生産物の加工を推奨するものでなければならない。

5.2.a 森林生産物は、なるべく収穫地の近くで加工され、地元で出来る限りの付加価値を付ける努力をしなくてはならない。

 

 

5.2.b 森林管理者は、木材や他の森林産物に、できるだけ付加価値をつけるような加工を施そうとしなくてはならない。

 

 

 

 

5.2.c 森林管理者は、地元のビジネスや経済発展努力を積極的に推し進めなくてはならない。

 

 

5.2.d 森林管理者は、経済的価値を最大限引き出すために、効果的な木材分別(分類)を進めなくてはならない。

5.2.e 木材以外の林産物が管理区域から収穫されている場所では、森林管理者は法的・習慣的権利を有する収穫者に林産物収穫を支援するような林業を展開しなくてはならない。

 

 

 

 

地元での加工が行われない場合は、森林管理者は、地元において加工業を進展させようとする努力の実績の証明が必要。

地元おける他の加工業者が、優先的に付加価値をつけることができる、そのようなマーケティング方針が必要。

管理資源の地元での効果的な活用や、付加価値加工をすすめる機関との協力が必要。

 

 

 

 

 

木材分別(分類)が使用されない場合は、自らの事情によるものではないことの証明が必要。

 

FSC認証においては、雇用率が他より高く、その材木の売買が、ほかの同規模・似た環境の業者に較べて、地元への貢献率の高い林業者の実績を認めるべきである。この点、我が国の木材市場では、何処で生産されたものかが判然としない。認証もさることながら、地域の資源循環という観点に立ち、地元生産、地元加工、地元消費を原則としたいが、地元の範囲をどうするか?せめて加工は地元ということにFSCの規準ではなっている。

 

5.3 森林管理は、伐採や現場での加工作業に伴う廃材を最小限に抑え、他の森林資源へのダメージを避けるものでなければならない。

5.3.a 伐採や運材作業での破損の最小限化など、収穫と現場加工による廃材の発生を最小現に抑えられなくてはならない。

5.3.b 止む無く粗大な廃材が発生する場合にはその利活用に努めるとともに、リサイクルや商品化できない木屑は可能な限りの技術を使用して、環境に影響を与えない方法で処分されなくてはならない。

5.3.c 収穫時や収穫後の廃材査定は、習慣的に実施され、結果は管理計画にフィードバックされなくてはならない。

5.3.d 皆伐収穫といった集中的な施業の実施にあたっては、一定量の林床植物の残存や土壌の撹乱防止を図り、長期にわたる林内生態系の維持や土壌肥沃度の保持を目指さなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

生物多様性の確保や土壌侵食防止上必要となる場合は作業現場に残しておく。

 

 

 

 

 

 

 

除間伐材など、生態的にみても、コスト面からも林地に残しておくことが必要と判断される場合、土壌侵食防止を兼ねて、等高線状に並べる?

 

5.4 森林管理は、地域経済の強化と多様化に努め、一つの林産物のみに依存することを避けなければならない。

5.4.a 森林管理は、価値ある木材を持続的に供給し続けることによって、継続的な雇用と地元の多様な加工・製造を通して、地域社会の安定のために貢献しなくてはならない。

5.4.b 森林管理計画では、森林から収穫できる全ての製品やサービス(森林製品の地元での役割に限らず)を認識しなくてはならない。計画はまた、木材や経済目的でもない地域サービスに関しても、活動結果を明確に提示して評価を受けなくてはならない。

5.4.c 森林管理はできるだけ森林に直接的・間接的に関連する経済活動と協調しなくてはならない。

5.4.d 森林管理は、地元経済の多様化の可能性を保護する形で行われなくてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直接的経済活動でいえば、内水面漁業、園芸的林産物採取などがあげられ、間接的経済活動ではマスコミ業界、リクリエーションや観光業界との協調などがあげられる。

 

5.5 森林施業は、森林のもたらす水資源や漁場などのサービス及び価値を、認識し、維持し、高めていくものでなければならない。

5.5.a 森林管理計画は、その施業地域の森林サービスと資源の種類を認識しなくてはならない。計画は管理目的と非木材的価値を得るための活動を明記し、その達成目標をも認証のために明記しなくてはならない。

5.5.b 森林管理者は、その施業が水質・水量・流速など自然の水流の循環を保つこと提示しなくてはならない。

5.5.c 森林管理計画は、すべての管理過程における景観の融和と、生物多様性確保とのバランスを取る。

 

 

5.5.d 森林管理計画には、レクリエーションと観光資源についての管理目標と主旨を含めなくてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森林を眺めるものとして、地元住民、観光ガイドなどの意見を求める。

景観図の作成の必要。

 

観光・リクリエーション資源の目録作りが必要。

計画は特定の場所や施設の使用の可能性を含む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

景観マップには次のものを含める。

・流域区分、水系、地形の特徴、土地利用など

・管理地域の可視・不可視

・リクリエーション地、観光資源、文化財など

5.6 林産物の収穫は、それが持続できなくなるレベルを越えて行われてはならない。

5.6.a 林産物収穫は、右の記載事項に添わなくてはならない:

5.6.b 収穫レベルは、5.6aにあることの着実な計画実行の結果であるべきで、その他規定にない管理の実行であってはならない。

5.6.c 現在の、そして計画されている収穫レベルは、長期的な確保が保証されたものでなければならない。

5.6.d収穫のレベルは、森林資源状況と地域の諸計画に基づき、慎重に決められなければならない。

 

 

FSCの原則と規準

・地域の行政や管理組合などが策定している管理目標と計画

・森林資源、森林用途、森林管理活動の最新の目録と計画。

 

環境リスクや自然災害も反映(火災やその他災害による損失など)。(原則・基準10.7)

 

 

 

 

 

 

 

長期とは、当面どのオーダーか?

 

 

 

 

 

 


 

国内基準草案1

補足説明

参照事項・解決すべき課題

原則#6. 環境への影響

 

 森林管理は、生物の多様性とそれに付随する価値、水資源、土壌、そしてかけがえのない、しかも壊れやすい生態系や景観を保全し、生態学的な機能や森林の健全さを維持するものであること。

 

 

6.1 環境へ与える影響の評価は、森林管理の規模や内容、影響を受ける資源の特異性に応じて徹底して行われなければならないとともに、管理システムの中に十分に組み込まれていなければならない。評価は、現場での加工施設による生ずる影響に配慮するとともに、景観レベルでの影響にも配慮されなければならない。環境への影響は、現場での作業が行われる前に評価されなければならない。

6.1.a 環境影響の評価の前に管理区域の地域的な景観が具備すべき条件を整理しておかなければならない。

6.1.c 計画された管理活動によって引き起こされる恐れのある環境変化や影響に対して、管理計画は保全水準を定義しなくてはならない。保全水準は管理区域の歴史的・自然的な状況を考慮して定義されなくてはならない。

6.1.d 管理計画では、将来の望ましい森林構造と環境に影響を及ぼす要因を減らすための行為が提示されなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下の関連情報を把握する必要がある:

      土地利用、現存植生、林相分布、管理区域の生態的にみて重要な地域、流域ごとの自然特性(地形、動物、水系、水量、水質等)、レクリエーション・観光資源・文化財分布、法規制状況、施業現況・計画など

また、以上の情報を目録やマップとして記録し、認証審査の前までに準備する必要がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

景観を規定する地理的情報とは?

 

管理水準に関わる条件例:

・景観形成の基本的指針や配慮

・森林火災、風害、病虫害に対する対処

・種の多様性、豊富さ

・歴史的、伝統的な風景

データが不足しているところでは、専門家の意見が用いられてもよい。?

6.2 希少種、危急種、絶滅危惧種及びその生息地(例えば、営巣地や採餌場所など)を保護する手段がとられなければならない。保全地域及び自然保護区は、森林管理の規模や内容、影響を受ける資源の特異性に応じて確立されなければならない。不適切な狩猟、釣り、仕掛け罠、採集は取り締まらなければならない。

6.2.a 管理区域内の、レッドデータリスト記載種の有無の確認と、それらの生育・生息に及ぼす環境の影響を最小限に抑えるようにしなくてはならない。

6.2.b 貴重種の生育・生息地の周辺は緩衝地帯として保全され、貴重種の保護に努めなくてはならない。緩衝地帯の形状・面積と管理は、地域の自然的条件を勘案し、その環境と調和したものでなくてはならない。

6.2.d 絶滅危惧種等貴重な生物に対する保護や個体数の保持のため管理ガイドラインとモニタリングシステムが導入されなくてはならない。

 

 

6.3 生態的機能や価値は、以下に記載するものを含め、現状が維持されるとともに高められ、あるいは復元されなければならない。

a)森林の更新と遷移

b)遺伝子、生物種、生態系の多様性

c)森林生態系の生産性に影響する自然サイクル

 

a.森林の更新と遷移

6.3.a.1 自然の復元は、人工林施業においても主目的として奨励され、生物多様性の維持・増進に関するすべての要素について考慮されなくてはならない。森林管理は、品質の良い種群を保ち、望ましい種構成が成し遂げられるよう進行遷移の助長を目指した計画に基づくものでなければならない。

6.3.a.2 人工林内で自然の復元目的が達成できないときには、他の人工的代替手段が適用されなくてはならない。例としては、種の多様性を向上させる土壌肥沃度の維持・増進、成長の早い種群の導入、林内植栽などがあげられる。(原則・規準10.3、10.6)

6.3.a.3 地拵えは、土壌劣化を招いてはならない。(原則・規準10.6)

6.3.a.4 草本類の進入や低木類の混入など、林床植生育成の初期段階では、管理区域の土地条件に見合った種群で構成されるべきで、雑草・薮と称する恣意的な除去は制限されるべきである。(原則・規準10.5)

 

b. 遺伝子、生物種、生態系の多様性

6.3.b.1 生物種の構成や森林構造は地域の自然的・歴史的な景観レベルで維持されるべきである。

6.3.b.2 非森林環境、例えば露岩、高山植物群、雪崩多発地、崩壊地、湿地帯、河川・渓流は、これらを取り囲む森林地帯とともにその中の特別な環境のエコシステムの働きが保たれるように管理しなくてはならない。

6.3.b.3 管理区域の規模と配置、土地条件に合わせて、自然的・歴史的にその場所で生育・生息していた種のすべての種数・個体数のレベルを守らなくてはならない。

6.3.b.4 管理区域の規模と配置、土地条件に合わせて、地域固有の景観構成要素や植物群、重要な生態系を有する地域は、維持または保全され、自然的な様相を保たなくてはならない。

6.3.b.5 管理区域及びその周辺での樹種群の多様性維持と配置の仕方については、周辺との整合性を考慮して決められなければならない。

6.3.b.6 自生する低木類や樹木群、そして収穫時に発生する廃材等は、林地への配置・放置具合を適切に決めなくてはならない。

6.3.b.7 森林管理システムには、特別な考慮を要する貴重種群、遺伝子獲得生物群、多様な森林構造、廃材の処理も含めた柔軟なものでなければならない。

6.3.b.8 天然更新を行う場合は、周到に選ばれた樹種群との組み合わせによって、遺伝子の保存、生物の多様性等を維持させるのに充当されなければならない。(原則・規準10.4)

6.3.b.9 人工林内または人工林群の自然復元を目指す祭には、植栽する樹種は地域固有種で、遺伝子的にみて自然の撹乱が起こらないようにしなくてはならない。(原則・規準10.4)

 

c. 森林生態系の生産性に影響する自然サイクル

6.3.c.1 森林施業及びそれに付随する自然への介入は、地域的な土地条件、景観、生物多様性等に関する自然環境への影響を考慮して計画されなければならない。木材やほかの林産物が収穫されている期間、全てのエコシステムの構成、過程、働きが一定に保たれなければならない。

6.3.c.2 森林管理活動は、土壌の肥沃さ、構造、呼吸機能、有機物レベルと栄養塩類レベルを保たなくてはならない。(原則・規準10.6)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伐採・地拵えに関わる地域の伝統的な処理方法を踏襲することも必要。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

化学肥料の使用は、瘠せた地域や植林のリハビリ以外に使用してはならない。

管理森林が自然林に似るほど生物的多様性ほか環境的価値が減る場合がある。例えば、後述する保護価値の高い森林(HCVF)の定義にも関わるが、広葉樹二次林の方が環境機能の多面的な発揮では自然林より優れている場合がある。このような場合には、この二次林の取り扱い、また二次林の構成・構造を人工林施業の中で生態系維持の観点から取り入れるべきだと考えるが?

また、ただ一つのエコシステムの要素、つまり木材の生産に絞り込んだ集中的な森林管理では、他のエコシステムの要素を犠牲にしている。地拵え、下刈り、除間伐、被害木伐採、最終収穫などで木材生産性を目的にするとエコシステム要素に犠牲が出てくる。林内の多くの種が土壌有機物・無機物、リター(落葉落枝)や成長の早い低木を、栄養または覆いとして頼っている中、大面積皆伐などの集中的な施業と森林の生態系との調和をどの時点、どのような状況で図るべきか、その規準が現在あいまいである。この点、速水林業審査では、林内に出現する植物種数で多様性の評価をしたが、どうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後述するが、地域固有種をどのように定義し、何を基に可否を判断するか。我が国ではスギ・ヒノキ・カラマツなどの植栽域が、その天然分布域を越えている。これらが日本古来種であっても、天然分布域から大きく外れたところでは地域固有種にならないと思うが。誰か、現気候下でのスギ・ヒノキ・カラマツの天然分布域(潜在自然植生域)を教えてください。?

 

 

 

6.4 その景観に含まれる現存する代表的な生態系は、森林管理の規模や内容、影響を受ける資源の特異性に応じ、自然のままの状態で保全されるとともに、地図上に示されなければならない。

 

6.4.a 生態系保護地区は、管理区域内で保持できる最大の生物的多様性価値を保全または維持しなくてはならない。そして、保護地区は、その役割を常に果たしているかどうか、モニタリングされなくてはならない。

 

・管理区域内での、生態系保護地区のネットワークを作り、区の規模と現存の生物の多様性を維持し、また保存しなくてはならない。保護地区の最低限の割合は管理区域の規模とその他の現存する保護区の大きさによる。

・生態系保護地区は貴重なエコシステム、脆弱な地域等、管理区域内の様々なバリエーションの生物的多様性の代表を含まなくてはならない。施業可否に関わらず、保護地区は、その土地の景観や生態系を代表して選ばれるべきである。

・生態系保護地区は、河川・渓流・湖沼・湿地などほかの目的のために保護された地域も含む。

・収穫や新規の林道建設等施業の実施は生態系保護地区では禁止だが、緩衝地帯が形成されていて、生態系保護地区の目的に合致し、影響が軽微な場合は別とする。

・生態系保護地区内では、環境への影響が少ないもの、例えば先住民の伝統的活動、地元の娯楽、エコツーリズム、狩り、釣りなどは許可され、これによって保護地区の設置目的に合致している状態を損ねない限りは認めるものとする。

我が国に林業地で生態系保護地区の確保を認証基準に入れるのはどうか?

生態系保護地区が設けてあれば、人工林内の生態系維持に関する見本の提示等で素晴らしいことと思うが?

ちなみに速水林業審査ではこのことが付帯条件となって、年次監査を受けることが義務付けられているが。この保護地区をはずせば審査上不公平ということにつながるが、如何か?

審査基準に入れるとすれば管理区域の何%が適当か?SCSの速水林業審査では、当初20%であったものを、10%に下げた修正基準で審査した。

 

6.5 下記の事項を守るためのガイドラインが文書化され、実行されなければならない。

 ・侵食の抑制

 ・伐採時での森林損傷、道路建設、そして他の全ての行為による被害を最小限のものとすること

 ・水資源の保全

6.5.c 崩壊や地すべり、土石流、雪崩などの危険箇所での森林施業は行わない。また、森林施業が原因で危険性を増大させてはならない。

 

 

6.5.d 斜面の土壌侵食については、その未然防止に努めなければならない。

 

 

 

6.5.e 河川・渓流沿いは、水質浄化機能のほか、土壌侵食防止機能、水辺生物の多様性維持を図らなければならない。

 

 

 

 

6.5.f 管理区域が水源域を含む場合、水源域には生態系保護地区を設けるか、弱度の施業の実施により、水源涵養、土砂流出防備、水質浄化機能等を保持させるものとする。

・詳しい地形図、植生図、土壌図等を作成し、森林管理のベースマップとして活用すること。

・土壌侵食地、地すべり・崩壊地、雪崩多発地、林道路盤状況・側溝破損状況等の危険箇所・維持管理上課題等についても、森林管理図として作成しておくこと。

・林床植生の繁茂、林縁や林道法面の植生被覆、林道幅の最小化、横断溝の設置等が必要。

・全ての小川と渓流には、水辺保護林として少なくとも高木層の樹高に相当する幅をもったバッファーゾーンが設置されなくてはならない。

GISの活用が望まれるか、現段階ではどのような形式であれ、森林管理に必要な基本的なマップが揃っていればいい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河川・渓流のバッファーゾーンの幅は?

カナダBCの基準草案1では片幅30m〜60mと設定。

 

 

水源域の定義?地形分類上何次谷までを設定するか?

 

6.6 管理システムは、環境に配慮した非化学的な病虫害への対処方法を開発し取り入れいくとともに、化学的農薬の使用を避けるよう努めなければならない。世界保健機構で規定されているタイプ1A、1B及び塩素系炭化水素農薬(chlorinated hydrocarbon pesticides)は、残留性が高く有毒であるとともに、その誘導物質(derivatives)は生物的に活性化し続け使用目的をはるかに超えて食物連鎖の過程で蓄積するので、国際条約により禁止されている農薬同様、使用が禁止されなければならない。化学物質を使用する際は、健康と環境に及ぼすリスクを最小限に留めるため、適切な設備と訓練とが整備されていなければならない。(原則・規準10.7)

 

我が国の場合、ササやシダなどで更新が難しいところがある。このようなところでは新植時に1回程度の除草剤の使用は認めるべきではないか?

6.7 化学薬品、容器、燃料や油を含む液体、固体の非有機廃棄物は、環境に配慮した適切な方法で管理地域以外の場所に処理されなければならない。(原則・規準10.7)

 

 

6.8 生物的防除を利用する場合は、その方法が文書化されるとともに、その利用は最小限に留められ、モニタリングされなければならないとともに、国内法及び国際的に認められた科学的取り決めに従い厳しく管理されなければならない。なお、遺伝子学的に生命体を変化させることは禁止されなければならない。(原則・規準10.7)

 

 

6.9 外来種の利用は、生態系への悪影響を避けるため、慎重に管理され、頻繁にモニタリングされなければならない。(原則・規準10.4)

6.9.a 植栽種の選定の際には、外国産のまたは地域外の遺伝子を有するものを避け、自生の、地元産の種を使用しなくてはならない。

6.9.b 現存する外来種や地域固有種でないものは、林業的に収穫率が良くとも、徐々に削減されるべきである。

 

外来種と地域固有種の定義をどうするか?

日本固有種であっても、地域固有種かどうかの判断が必要では?

 

 

 

 

6.10 森林を他の土地利用へ転換させてはならない。但し、下記の場合を除く:

 a)森林管理区域のごく限られた範囲で行われる

場合

 b)保護価値の高い森林区域が除かれている場合

 c)森林管理区域において、長期的な保護による恩恵が、明らかに、十分に、より一層そして確実にもたらされる場合

 

 

 

 

 

 

6.10.a 森林管理区内の転換された他の土地利用地は、ある一定の割合を上回ってはならない

6.10.b 高保護価値森林(HCVF)が人工林に置き換わってはならない。(原則・規準10.9)

6.10.c  非森林化については、長期的な転換が森林経営その他の機能を損なうものでないことの証明が、科学的な調査結果を添えて提示されなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

FSCの原則では「森林を植林や他の土地利用へ転換させてはならない。」となっているものを、人工林適応型の基準草案1であるので「植林」を除いたが如何か?

もともと天然林施業を前提としたFSC原則であるので、天然林に人工林をどれだけ混ぜられるかといった定義・基準であって、人工林施業を前提としている当基準草案1には馴染まない事項でもあるが、どうか?

・土地転用割合を検討し付表として作成するか?

・または、森林転用の制限は、管理区域の規模や管理種、保護地区の有無等でケース毎に試算する必要があるのか?

 

 


 

国内基準草案1

補足説明

参照事項・解決すべき課題

原則#7. 管理計画

 

 森林において実施される事業の規模と内容に応じた適切な管理計画が文書化され、それに沿って事業が実施され、また、常に更新されること。また、長期的な見地に立った管理目標、目標達成のための手段が明確に提示されること。

 

 

7.1:管理計画及びその付属書類(suporting documents)では、以下のことについて触れなければならない。

 a)管理目的。

 b)管理対象となる森林資源、環境に関する制限、土地利用と所有状況、社会経済的状況、隣接地の概略についての記載。

 c)当該森林の生態及び自然資源調査により収集された情報に基づく、育林あるいは他の管理システムについての記載。

 d)年間伐採量及び樹種選択の理論的根拠。

 e)森林の成長及び動態に関するモニタリングを行うにあたっての規定。

 f)環境評価に基づく環境保護方法。

 g)希少種、危急種及び絶滅危惧種の同定と保護に関する計画。

 h)保護地域、管理計画、土地所有形態を含む森林資源に関する基本情報が記載された地図。

 i)導入される伐採技術と設備についての記載とその事由。

 

a.管理目的

7.1.a.1 森林管理に関する哲学・基本姿勢、 社会的・地域的貢献に関する考え、その他右記にあげる目標設定を行わなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

b. 管理対象となる森林資源、環境に関する制限、土地利用と所有状況、社会経済的状況、隣接地の概略についての記載

7.1.b.1 上記に関わる状況を明記しなくてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7,1.b.2 様々な資源とその価値に影響を及ぼす要素やその将来動向を把握し、記録しておかなければならない。

7.1.b.3  保護価値の高い森林(HCVF)に関する情報を整理して示さなければならない。(原則・規準10.7)

 

.当該森林の生態及び自然資源調査により収集された情報に基づく、育林あるいは他の管理システムについての記載。

7.1.c.1 管理計画として、当該森林の施業方法や年次スケジュールと合わせて、森林の自然回復システムやそのための森林構造の達成について明記しなくてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

d. 年間許容伐採量及び樹種選択の理論的根拠

7.1.d.1年間許容伐採量の計算方法は、管理計画と付属書類に明記されなければならず、これには管理手法に関する細部の説明も含めなくてはならない。

7.1.d.2 年間許容伐採量については、樹種ごとの成長量の違いを計算に繰り込むとともに、気候条件等による変動の可能性も事前に見積もっておく必要がある。

 

e. 森林の成長及び動態に関するモニタリングを行うにあたっての規定

7.1.e.1 モニタリング方針のアウトラインを含んでいなければならない。

7.1.e.2 管理レベルを向上させるため、モニタリング結果の管理計画へのフィードバックを通して、計画更新過程のアウトラインを示さなくてはならない。(原則・規準10.4)

 

f. 環境評価に基づく環境保護方法

7.1.f.1 環境管理計画は管理区域(原則6参照)内部と下流及び周辺域の環境を保護するため、森林管理のあり方や方法、技術を明記しなければならない。これは、森林景観と林分レベル双方に行われなくてはならない。

7.1.f.2 森林火災、病虫害等といった災害から森林管理区内の立木を守るのに、採用すべき方針と技術を明記しなくてはいけない。

 

g. 希少種、危急種及び絶滅危惧種の同定と保護に関する計画

7.1.g.1 希少種、危急種及び絶滅危惧種の存在を明記しなくてはならない。

7.1.g.2 希少種、危急種及び絶滅危惧種の生息と生息環境を守るために採用すべき方針と技術を明記しなくてはならない。

 

h. 保護地域、管理計画、土地所有形態を含む森林資源に関する基本情報が記載された地図

7.1.h.1 管理区域とその周辺の森林管理に要する基本情報図を適切な縮尺で作成しなければならない。幾つかの地図は現在の状態だけでなく、過去または未来に想定される状態を表すことが必要である。

 

i. 導入される伐採技術と設備についての記載とその事由

7.1.i.1 木材・非木材価値を最大限に引き出す収穫方法と設備について明記しなくてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・管理森林の景観・生物的多様性の保全

・河川・渓流・湖沼・湿地などの水生・水辺生物の多様性の保全

・森林収穫物や土壌の保全

・直接的・間接的雇用の促進

・木材、その他林産物の収穫と加工からの経済価値レベル、

・直接的・間接的なコミュニティへの貢献

・森林資源・森林構造・森林環境・木材製品に関する質・量の管理

 

 

 

・個人、地域、組合、会社等の所有権や使用権、借地権等

・森林管理が影響を及ぼす範囲の土地利用状況、災害履歴、所有地・借地の隣接地の状況、下流側の資産価値等

・森林資源、地形条件、土壌条件、植生、野生生物生息地、水系、河川・渓流状況等の全ての資源分布と価値に関する内容

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・林道建設、閉鎖、修復などの維持活動

・木材と他の林産物の収穫計画・年次計画

・農薬・肥料などの化学薬品の管理と使用に関する計画と付属書類が整備

・土壌保全や山地災害防止、渓流沿いバッファーゾーンの保全、景観改善等に関する管理計画と付属書類

・森林管理がもたらす資源価値の推移や、生物生息・保護価値の高い地域等に与える影響のプラス面・マイナス面

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・環境の範囲は限定しないが、以下を含む:

・地域の生物多様性

・土壌の生産性

・水の循環と水生生物生息域

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10年、20年、50年、100年ぐらいの将来予測が必要か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

必要と考えられる基本情報図は以下でよいか?

・地理・地形条件を小縮尺で示す管理区域の位置図

・保護地区・森林転換区・関連した周囲の景観区域・生態区分・生物気候区分等を示す地図

・水系・流域・水循環・地下浸透域・水生生物生息域・重要な動物生息域・漁業権・その他水利用に関わる地図

・道路網・林道網・交通流に関する地図

・地形分類・表層地質・土壌・崩壊・地すべり・土石流多発地・雪崩多発地など主に地圏に関わる地図

・森林相観・林相・現存植生・動物生息等に関わる地図

・重要な生物の生息環境・移動回廊・採餌環境等に関する地図

希少種、危急種及び絶滅危惧種とその生息地を明示した地図

・山地・水災害の履歴・危険度を表す地図

・病虫害既往地域、危険性の高い地域などを示す地図

・観光・レクリエーション地、景観可視等を示す地図

・文化財・天然記念物に関わる地図

・木材生産・生産可能地や森林管理作業を示す地図

7.2 管理計画は、環境、社会、経済状況の変化に対応するとともに、モニタリング結果、あるいは最新の科学的知見・技術情報に配慮し、定期的に改訂されなければならない。

7.2.a 管理計画は、社会環境の変化に伴い、定期的に(5年以上間をおかずに)見直さなくてはならない。

7.2.b 管理計画は、モニタリング結果や新研究・技術情報に合わせて見直さなくてはならない。

7.2.c 管理計画の見直しのたびに一般の意見を反映させなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

管理計画の見直しは、次の視点を含む。

・自然現象による森林の変化。

・高保護価値森林(HCVF)の価値の変化

 

7.3.  林業従事者は、管理計画を確実に実行するにあたり、適切な訓練と指導をうけなければならない。

7.3.a 管理計画と付属書類は、全ての計画と目的が一貫性をもって実行されるよう、森林労働者に教育・訓練を施すことを明記しなくてはならない。

7.3.b 森林労働者に、管理計画へのフィードバックのための意見具申の機会を与えなければならない。

 

 

7.4.  情報の秘密性を尊重する一方、森林管理者は、規準7.1で挙げたような事項を含む管理計画についての基本的事項の概要を公開しなければならない。

7.4.a 森林管理者は、管理計画に一般の意見を反映させなければならない。もし否の場合はその理由を述べなくてはならない。

 

 

 

 


 

国内基準草案1

補足説明

参照事項・解決すべき課題

原則#8. モニタリングと評価

 

 森林管理の規模と内容に応じた適切なモニタリングが、森林の状態、林産物の生産量、生産・加工・流通各段階、管理作業およびそれらが社会や環境に与える影響を評価するために行われること。

 

 

8.1 モニタリングの頻度とその内容は、影響を受ける環境の相対的な複雑性や脆弱性とともに、森林施業の規模と内容に配慮して決定されるものとする。モニタリング方法は、結果が比較でき、変化が評価できるようにできるように、首尾一貫しているとともに反復できるものでなければならない。

8.1.a 長期モニタリングプログラムは、土地使用から保護された区域の状況や適切な森林状態を基準として作成しなくてはならない。

8.1.b モニタリングの実施は、首尾一貫して反復されなくてはならない。また、モニタリング活動は記録され公開されなければならない。

8.1.c モニタリングは年間スケジュールに基づいて行うべきである。

8.1.d 環境的に有害な影響が認められたところでは、作業は延期されるか、より大きなダメージを避けるために縮小されなくてはならない。悪影響を軽減するための行動をとってもなお、ダメージが発生した場合は、公の機関に知らせなくてはいけない。また、影響を受けた地域の回復・復元するための計画も立てなくてはならない。

8.1.f 事前に予測できなかった事態が見つかったときは、管理活動は延期されるか縮小され、管理計画に反映されなければならない。この場合も、公的機関への報告が必要である。

 

 

 

 

 

 

 

・森林管理区域の規模と複雑さによっては、短期のモニタリングを行う。この場合、作業前、作業中、作業後の現場検査がかかせない。

・モニタリングは適切な訓練をうけ、経験のある人物が指揮を執って行う。活動や森林が複雑で、その影響の判定が難しい場合は適切な有資格者の協力を仰ぐ。

・モニタリングの頻度は、以下に基づく:施業の規模、密度、頻度、環境的繊細さ、活動の複雑さ、リスクレベル、利害関係者の関心度、請負業者の経験と仕事ぶり、気候状況等。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・モニタリングで環境影響が出た場合等、公的機関との協議を義務付けた法令等ないか?(モニタリングがアセス条例に含まれているところもあるが、アセスの対象事業でない)

 

 

 

 

 

 

 

8.2 森林管理は、少なくとも以下に示すような、モニタリングに必要な調査とデータ収集を含むものとする。

 a)収穫された全ての林産物の生産量

 b)森林の成長、更新及び森林の状態

 c)動植物の構成状態と観測された変化

 d)収穫及び他の作業いより生じる環境と社会への影響

 e)森林管理にかかる費用、森林管理の生産性その効率性

8.2.a  収穫に関するモニタリングでは以下の林産物生産量の明記が必要である。

・各林分の収穫時、樹種ごと等級ごとの生産量

・年間の樹種ごと等級ごとの生産量

・非木材林産物の種類と生産量

 

 

8.2.b  森林の成長、更新、森林の状態のモリタリングモニタリングは、右に示すような指標事例をを使って行わなければならない。

8.2.c 森林調査によって得られたデータは加工性が高く、かつ年間許容伐採量も見易い形に整理され、収穫作業の利活用支援システムとして機能させなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.2.d  植物相・動物相の変化のモニタリングは、右に示すような指標事例を使って行わなければならない。(原則・規準10.8)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.2.e 社会的影響のモニタリングは、右に示すような指標事例を使って行わなければならない。(原則・規準10.8)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.2.f 森林管理のコスト、生産性、効率を見るためのモニタリングは、右に示すような指標事例を使って行わなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.2.bのモニタリング指標:

・持続的収穫を支える森林資源目録作成:林種・樹種・立木本数(密度)、森林構造、種構成、樹高、胸高直径、材積、成長率等

・目録は定期的に作成するが、大きな災害の際は更新されるべきである。

・目録は年間伐採許容量を決定する際に、資源量・成長量を計算するのに使われる。

・データは災害後の自然回復パターンを見極めるのに使われる。

・森林健全度調査は、森林病中虫被害の場所と被害強度を確認する。

8.2.dのモニタリング指標:

・林齢構成・林分ごとの森林構造

・地形条件・環境条件と生物生息

・稀少植物の存在、草本類の繁茂状況・環境傾度

・保護地区の森林エコシステム

・河川・渓流のバッファーゾーンのエコシステム

・野生生物種の密度、分布、状態

・廃材の種類と量

・水域の状態

・土壌生産性/または退化(肥沃さ、堅密度、構造)

・林床・林縁植生に影響を与える哺乳類等の生息状況

・林道の状態と排水構造等

8.2.eのモニタリング指標:

・収穫・木製品の加工から見る直接的・間接的地元雇用レベルと動向

・レクリエーション・観光・林産物等から見る直接的・間接的雇用レベルと動向

・経済に関係ない価値に見合う管理区域における活動や満足のレベル

・木材でない林産物の生産動向

・新しい雇用に向けてのリクルート情報と動向

・地域的・国家的な経済利益

・景観の変化

・小径・施設・地形等の観光的利用

・釣り、狩猟と野生生物採取

・野生食物採取と維持

・景観地域、精霊の場所、その他先住民にとって大切な場所への手入れ

8.2.fのモニタリング指標:

・管理計画作成、データ収集、資源査定コスト

・訓練、安全、教育コスト

・従業員給与水準と待遇、請負者への支払い

・技術の進歩と機械設備コスト、それに付随する雇用影響と傾向

・管理区内の収穫、加工活動によって生ずる地域社会での経済レベルと傾向

・森林管理に関わる生産性

・木材使用の効率性

・木材/製品販売の価値、レベルと傾向、付加価値加工製品のレベルと傾向

も含めて

・管理区域における他の使用から発生する様々なサービスや製品から生まれる地元の実価値のレベルと傾向

・労働者・請負業者・その他森林使用者の生活レベルと傾向

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.2.aのモニタリング指標は以下でよいか?

・各林分の収穫時、樹種ごとの等級と生産量

・年間の樹種ごとの等級と生産量

・非木材林産物の種類と生産量

8.2.bのモニタリング指標は以下でよいか?

・持続的収穫を支える森林資源目録作成:林種・樹種・立木本数(密度)、森林構造、種構成、樹高、胸高直径、材積、成長率等

・目録は定期的に作成するが、大きな災害の際は更新されるべきである。

・目録は年間伐採許容量を決定する際に、資源量・成長量を計算するのに使われる。

・データは災害後の自然回復パターンを見極めるのに使われる。

・森林健全度調査は、森林病中虫被害の場所と被害強度を確認する。

 

 

8.2.dのモニタリング指標は以下でよいか?

・林齢構成・林分ごとの森林構造

・地形条件・環境条件と生物生息

・稀少植物の存在、草本類の繁茂状況・環境傾度

・保護地区の森林エコシステム

・河川・渓流のバッファーゾーンのエコシステム

・野生生物種の密度、分布、状態

・廃材の種類と量

・水域の状態

・土壌生産性/または退化(肥沃さ、堅密度、構造)

・林床・林縁植生に影響を与える哺乳類等の生息状況

・林道の状態と排水構造等

8.2.eのモニタリング指標は以下でよいか?

・収穫・木製品の加工から見る直接的・間接的地元雇用レベルと動向

・レクリエーション・観光・林産物等から見る直接的・間接的雇用レベルと動向

・経済に関係ない価値に見合う管理区域における活動や満足のレベル

・木材でない林産物の生産動向

・新しい雇用に向けてのリクルート情報と動向

・地域的・国家的な経済利益

・景観の変化

・小径・施設・地形等の観光的利用

・釣り、狩猟と野生生物採取

・野生食物採取と維持

・景観地域、精霊の場所、その他先住民にとって大切な場所への手入れ

 

 

 

 

8.2.fのモニタリング指標は以下でよいか?

・管理計画作成、データ収集、資源査定コスト

・訓練、安全、教育コスト

・従業員給与水準と待遇、請負者への支払い

・技術の進歩と機械設備コスト、それに付随する雇用影響と傾向

・管理区内の収穫、加工活動によって生ずる地域社会での経済レベルと傾向

・森林管理に関わる生産性

・木材使用の効率性

・木材/製品販売の価値、レベルと傾向、付加価値加工製品のレベルと傾向

も含めて

・管理区域における他の使用から発生する様々なサービスや製品から生まれる地元の実価値のレベルと傾向

・労働者・請負業者・その他森林使用者の生活レベルと傾向

 

8.3 モニタリング、および認証を行う機関が各々の林産物をその起源から追跡すること−“生産・流通・加工(“chain of custody”)過程”として知られている−が可能となるような文書が森林管理者により作成されなければならない。

8.3.a 管理区域から出た製品のすべてを認識する文書やシステムが整い、それによって消費者がその森林をすぐ特定できるるようにしなくてはならない。

8.3.b 森林管理者は製品、品質、出入荷の日付、出所の森林、目的地、関係した個人/会社を含む文書を取っておかなくてはならない。

8.3.c 木材市場、加工場、販売所において、認証された木製品のすべてが出所や種類、品質を認識できる文書が整っていなくてはならない。

8.3.d 認証された森林製品は刻印か印刷によって明確に認識されるよう、生産された管理区域(森林)または生産施設を離れる前に、ロゴマークをすべての製品(木材)に施さなくてはならない。

8.3.e 森林管理者は、不正な手段で非認証製品の混入を防ぐ措置を講じなくてはならない。

 

 

8.4 モニタリング結果は、管理計画の実行及び改訂に反映されなければならない。

8.4.a 調査・データ収集から始まるモニタリングプログラムは、一定期間を置いて分析され、評価されなくてはならない。

8.4.b 原則7の要求に沿ったモニタリングプログラムにより、判明した欠点については修正しなければならない。

8.4.c モニタリングプログラムが、森林作業の改善を要求した場合には、それに従って管理計画や管理作業に反映されなくてはならない。

8.4.d 森林管理の修正では、明確な見直しと、それによる施業等の実行の手順が含まれなくてはならない。

8.4.e 結果(収穫量、成長量、生態系の変化、製品、コスト、雇用など)と見通し(計画、天候、予想された影響、)の食い違いは、次の管理計画に活かされなくてはならない。

 

 

 

・一定期間としてどのくらいがふさわしいか?

8.5 情報の秘密性を尊重する一方、森林管理者は、規準8.2で挙げたような事項を含む指標のモニタリング結果についての概要を公開しなければならない。

8.5.a モニタリング結果は毎回その要約が公表されなくてはならない。一般の意見は記録され、考慮され、相応しいものは、次の計画に組み入れられなくてはならない。

 

 

 

 

 


 

国内基準草案1

補足説明

参照事項・解決すべき課題

原則#9. 保護価値の高い森林の保存

 

 保護価値の高い森林の管理は、その森林の特質を維持、または高めるものでなければならない。保護価値の高い森林に関する決定は、常に慎重に行わなければならない。

FSCの定義をちなみに要約すると:高保護価値森林(HCV)は、以下の一つまたはそれ以上の要素をもっているものである。

a)世界的に、地域的にまたは国家的に優れた以下述べる点を持った森林:

・生物学的に多様な価値をもつ森林(例:固有性、希少価値の種など)

・自然状態で出現種のほとんどを豊富に有する広大な景観レベルの森林、

b)珍しくて稀少なエコシステムにあるか、持っている森林

c)危機的な状況下にあり、かつ基本的な機能を有する森林(例:分水界保護、侵食防止等)

d)地元社会の基本的な要求に欠かせない森林地帯(例:生計の道、健康)それと/または地元社会の伝統的な文化アイデンティティーに重要である(文化的、生態的、経済的、または宗教的に地元社会との関係において明確に認識されている)。

保護価値の高い森林(HCVF)の定義は?

我が国では、前述したように、天然林(自然林)より二次林の方が生態的価値の高い場合がある。二次林もHCVFに入れるか?ケースバイケースで判断するか?

FSC本部でも、先住民の問題と同様に結論が導けなく、議論継続中である。

 

9.1 保護価値の高い森林の特質を判断する際、森林管理の規模および内容に応じた評価が不備なく行われるものとする。

9.1.a 全ての管理計画過程では、基本的な保護調査を行い、HCVがもつ要素の有無を確認する。HCV森林は、認識され、9.1から9.4内の規準に沿って評価されなくてはならない。

9.1.b 保護査定は、最低右のような情報に基づいて行わなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・保護に重点をおいた低リスクの管理がなされているか。

・希少種の存在するか、無くても再生する可能性が強い。

・未開発の原生的な地域であって、その地域に古くから生息する動物群を抱え、完全に機能しているエコシステムを一定の景観規模で有する。

・地元住民、他の地元コミュニティー、科学者、保護団体とまたは行政機関との協議によって以下のような要素を含む保護的森林管理区となっている:

・文化的、または精神的価値

・生活や、ほかのコミュニティベースの重要な森林使用

・保護順位が高い

・深刻な水問題を抱えている(例:上水使用、潅漑、洪水、渓流安定度など)

・森林管理区域の管理活動による大きな影響が考えられる森林。

 

9.2 認証過程においては、保護すべき特質の維持のための諸手法について、重点的に協議がなされなければならない。

9.2.a 保護の価値が高いと判断された場合、管理計画過程と認証過程には、地元の相応しい参加と、専門家の意見等によって見直しが行われなければならない。

 

 

 

 

 

意見聴取者は:

・保護価値高い森林と確認されたことによる直接的影響を受ける者

・保護価値の高い森林の管理を専門とする者

・高い保護価値に関心を示す地元の代表者

 

9.3 管理計画は、特質が確実に維持され高められるよう、慎重な措置を盛り込むとともに、実施されなければならない。この措置は、公開される管理計画概要に具体的に明示されなければならない。

9.3.a HCVを認証審査前に意図的に改変してはならない。(原則・規準10.9)

9.3.b 森林収穫、林道工事等人為的な介入がHCV森林に科せられているところでは、介入の規模と程度を査定するリスク評価が、作業を実行する前に必要である。リスク評価は、最低右の事項を含まなくてはならない:

 

 

 

 

 

9.3.c HCV森林における森林収穫、林道建設等人為的な事項については、9.3.bにあるようにリスク評価の結果を管理計画に反映しなければならない。

 

 

 

 

 

 

9.3.d 高い機能・価値を有すると認識された場合、それを保護しリスクの軽減を図るための基準や取り扱い方針が「森林管理計画概要」に含まれるべきで、これは認証過程のなかで提示しなければならない。このためのリスク評価過程データを記録した付録が必要である。

 

 

 

 

 

 

 

・リスクレベル状況の把握

・管理行動によるリスク段階への影響の予測、その方向性と重大性

・もし存在するならば、マイナスのリスク影響を削減できる選択肢の確認

・許される人為的介入とは、当該森林の持つ高い機能・価値に対してリスクのレベルが低いこと、または背景的リスクが一定レベルを越えているところでの、現存リスクを下る助けになることである。

 

9.4 年に一度のモニタリングが実施され、保護特質が維持され高めるように取られている措置が効果的なものであるかどうかが評価されなければならない。

9.4.a 年次モニタリングの実施が、高い機能有する森林に対するリスクレベルを低減し、その保護措置が有効に働いたかどうかの評価が適切になされなければならない。

 

 

 


 

 

FSC Principles and Criteria
Document 1.2   Revised February 2000


INTRODUCTION

It is widely accepted that forest resources and associated lands should be managed to meet the social, economic, ecological, cultural and spiritual needs of present and future generations.   Furthermore, growing public awareness of forest destruction and degradation has led consumers to demand that their purchases of wood and other forest products will not contribute to this destruction but rather help to secure forest resources for the future. In response to these demands, certification and self-certification programs of wood products have proliferated in the marketplace.

The Forest Stewardship Council (FSC) is an international body which accredits certification organizations in order to guarantee the authenticity of their claims. In all cases the process of certification will be initiated voluntarily by forest owners and managers who request the services of a certification organization. The goal of FSC is to promote environmentally responsible, socially beneficial and economically viable management of the world's forests, by establishing a worldwide standard of recognized and respected Principles of Forest Stewardship.
 
The FSC's Principles and Criteria (P&C) apply to all tropical, temperate and boreal forests, as addressed in Principle #9 and the accompanying glossary.  Many of these P&C apply also to plantations and partially replanted forests.  More detailed standards for these and other vegetation types may be prepared at national and local levels.  The P&C are to be incorporated into the evaluation systems and standards of all certification organizations seeking accreditation by FSC. While the P&C are mainly designed for forests managed for the production of wood products, they are also relevant, to varying degrees, to forests managed for non-timber products and other services.  The P&C are a complete package to be considered as a whole, and their sequence does not represent an ordering of priority.  This document shall be used in conjunction with the FSC's Statutes, Procedures for Accreditation and Guidelines for Certifiers.

FSC and FSC-accredited certification organizations will not insist on perfection in satisfying the P&C.  However, major failures in any individual Principles will normally disqualify a candidate from certification, or will lead to decertification.  These decisions will be taken by individual certifiers, and guided by the extent to which each Criterion is satisfied, and by the importance and consequences of failures.  Some flexibility will be allowed to cope with local circumstances.

The scale and intensity of forest management operations, the uniqueness of the affected resources, and the relative ecological fragility of the forest will be considered in all certification assessments.  Differences and difficulties of interpretation of the P&C will be addressed in national and local forest stewardship standards.  These standards are to be developed in each country or region involved, and will be evaluated for purposes of certification, by certifiers and other involved and affected parties on a case by case basis.  If necessary, FSC dispute resolution mechanisms may also be called upon during the course of assessment.  More information and guidance about the certification and accreditation process is included in the FSC Statutes, Accreditation Procedures, and Guidelines for Certifiers.

The FSC P&C should be used in conjunction with national and international laws and regulations. FSC intends to complement, not supplant, other initiatives that support responsible forest management worldwide.

The FSC will conduct educational activities to increase public awareness of the importance of the following:
*improving forest management;
*incorporating the full costs of management and  production  into the price of forest products;
* promoting the highest and best use of forest resources;
*reducing damage and waste; and
*avoiding over-consumption and over-harvesting.

FSC will also provide guidance to policy makers on these issues, including improving forest management legislation and policies.
 

PRINCIPLE #1: COMPLIANCE WITH LAWS AND FSC PRINCIPLES
Forest management shall respect all applicable laws of the country in which they occur, and international treaties and agreements to which the country is a signatory, and comply with all FSC Principles and Criteria.

1.1   Forest management shall respect all national and local laws and administrative requirements.

1.2   All applicable and legally prescribed fees, royalties, taxes and other charges shall be paid.

1.3   In signatory countries, the provisions of all binding international agreements such as CITES, ILO Conventions, ITTA, and Convention on Biological Diversity, shall be respected.

1.4   Conflicts between laws, regulations and the FSC Principles and Criteria shall be evaluated for the purposes of certification, on a case by case basis, by the certifiers and the involved or affected parties.

1.5   Forest management areas should be protected from illegal harvesting, settlement and other unauthorized activities.

1.6   Forest managers shall demonstrate a long-term commitment to adhere to the FSC Principles and Criteria.
 

PRINCIPLE #2: TENURE AND USE RIGHTS AND RESPONSIBILITIES
Long-term tenure and use rights to the land and forest resources shall be clearly defined, documented and legally established.

2.1   Clear evidence of long-term forest use rights to the land (e.g. land title, customary rights, or lease agreements) shall be demonstrated.

2.2   Local communities with legal or customary tenure or use rights shall maintain control, to the extent necessary to protect their rights or resources, over forest operations unless they delegate control with free and informed consent to other agencies.

2.3   Appropriate mechanisms shall be employed to resolve disputes over tenure claims and use rights.  The circumstances and status of any outstanding disputes will be explicitly considered in the certification evaluation.  Disputes of substantial magnitude involving a significant number of interests will normally disqualify an operation from being certified.
 

PRINCIPLE #3:  INDIGENOUS PEOPLES' RIGHTS
The legal and customary rights of indigenous peoples to own, use and manage their lands, territories, and resources shall be recognized and respected.

3.1   Indigenous peoples shall control forest management on their lands and territories unless they delegate control with free and informed consent to other agencies.

3.2   Forest management shall not threaten or diminish, either directly or indirectly, the resources or tenure rights of indigenous peoples.

3.3   Sites of special cultural, ecological, economic or religious significance to indigenous peoples shall be clearly identified in cooperation with such peoples, and recognized and protected by forest managers.

3.4   Indigenous peoples shall be compensated for the application of their traditional knowledge regarding the use of forest species or management systems in forest operations.  This compensation shall be formally agreed upon with their free and informed consent before forest operations commence.
 

PRINCIPLE #4:  COMMUNITY RELATIONS AND WORKER'S RIGHTS
Forest management operations shall maintain or enhance the long-term social and economic well-being of forest workers and local communities.

4.1   The communities within, or adjacent to, the forest management area should be given opportunities for employment, training, and other services.

4.2   Forest management should meet or exceed all applicable laws and/or regulations covering health and safety of employees and their families.

4.3   The rights of workers to organize and voluntarily negotiate with their employers shall be guaranteed as outlined in Conventions 87 and 98 of the International Labour Organisation (ILO).

4.4   Management planning and operations shall incorporate the results of evaluations of social impact.  Consultations shall be maintained with people and groups directly affected by management operations.

4.5   Appropriate mechanisms shall be employed for resolving grievances and for providing fair compensation in the case of loss or damage affecting the legal or customary rights, property, resources, or livelihoods of local peoples.  Measures shall be taken to avoid such loss or damage.
 

PRINCIPLE # 5: BENEFITS FROM THE FOREST
Forest management operations shall encourage the efficient use of the forest's multiple products and services to ensure economic viability and a wide range of environmental and social benefits.

5.1   Forest management should strive toward economic viability, while taking into account the full environmental, social, and operational costs of production, and ensuring the investments necessary to maintain the ecological productivity of the forest.

5.2   Forest management and marketing operations should encourage the optimal use and local processing of the forest's diversity of products.

5.3   Forest management should minimize waste associated with harvesting and on-site processing operations and avoid damage to other forest resources.

5.4   Forest management should strive to strengthen and diversify the local economy, avoiding dependence on a single forest product.

5.5   Forest management operations shall recognize, maintain, and, where appropriate, enhance the value of forest services and resources such as watersheds and fisheries.

5.6   The rate of harvest of forest products shall not exceed levels which can be permanently sustained.
 

PRINCIPLE #6:  ENVIRONMENTAL IMPACT
Forest management shall conserve biological diversity and its associated values, water resources, soils, and unique and fragile ecosystems and landscapes, and, by so doing, maintain the ecological functions and the integrity of the forest.

6.1  Assessment of environmental impacts shall be completed -- appropriate to the scale, intensity of forest management and the uniqueness of the affected resources -- and adequately integrated into management systems.  Assessments shall include landscape level considerations as well as the impacts of on-site processing facilities.  Environmental impacts shall be assessed prior to commencement of site-disturbing operations.

6.2   Safeguards shall exist which protect rare, threatened and endangered species and their habitats (e.g., nesting and feeding areas).  Conservation zones and protection areas shall be established, appropriate to the scale and intensity of forest management and the uniqueness of the affected resources.  Inappropriate hunting, fishing, trapping and collecting shall be controlled.

6.3   Ecological functions and values shall be maintained intact, enhanced, or restored, including:
  a) Forest regeneration and succession.
b) Genetic, species, and ecosystem diversity.
c) Natural cycles that affect the productivity of the forest ecosystem.

6.4   Representative samples of existing ecosystems within the landscape shall be protected in their natural state and recorded on maps, appropriate to the scale and intensity of operations and the uniqueness of the affected resources.

6.5   Written guidelines shall be prepared and implemented to: control erosion; minimize forest damage during harvesting, road construction, and all other mechanical disturbances; and protect water resources.

6.6   Management systems shall promote the development and adoption of environmentally friendly non-chemical methods of pest management and strive to avoid the use of chemical pesticides.  World Health Organization Type 1A and 1B and chlorinated hydrocarbon pesticides; pesticides that are persistent, toxic or whose derivatives remain biologically active and accumulate in the food chain beyond their intended use; as well as any pesticides banned by international agreement, shall be prohibited.  If chemicals are used, proper equipment and training shall be provided to minimize health and environmental risks.

6.7   Chemicals, containers, liquid and solid non-organic wastes including fuel and oil shall be disposed of in an environmentally appropriate manner at off-site locations.

6.8   Use of biological control agents shall be documented, minimized, monitored and strictly controlled in accordance with national laws and internationally accepted scientific protocols.  Use of genetically modified organisms shall be prohibited.

6.9   The use of exotic species shall be carefully controlled and actively monitored to avoid adverse ecological impacts.

6.10 Forest conversion to plantations or non-forest land uses shall not occur, except in circumstances where conversion:
a) entails a very limited portion of the forest management unit; and
b) does not occur on high conservation value forest areas; and
c) will enable clear, substantial, additional, secure, long term conservation benefits across the forest management unit.
 

PRINCIPLE #7:   MANAGEMENT PLAN
A management plan -- appropriate to the scale and intensity of the operations -- shall be written, implemented, and kept up to date. The long term objectives of management, and the means of achieving them, shall be clearly stated.

7.1   The management plan and supporting documents shall provide:
a)  Management objectives.
b)  Description of the forest resources to be managed, environmental limitations, land use and ownership status, socio-economic conditions, and a profile of adjacent lands.
c) Description of silvicultural and/or other management system, based on the ecology of the forest in question and information gathered through resource inventories.
d)  Rationale for rate of annual harvest and species selection.
e)  Provisions for monitoring of forest growth and dynamics.
f)  Environmental safeguards based on environmental assessments.
g)  Plans for the identification and protection of rare, threatened and endangered species.
h)  Maps describing the forest resource base including protected areas, planned management activities and land ownership.
i)  Description and justification of harvesting techniques and equipment to be used.

7.2   The management plan shall be periodically revised to incorporate the results of monitoring or new scientific and technical information, as well as to respond to changing environmental, social and economic circumstances.

7.3   Forest workers shall receive adequate training and supervision to ensure proper implementation of the management plan.

7.4   While respecting the confidentiality of information, forest managers shall make publicly available a summary of the primary elements of the management plan, including those listed in Criterion 7.1.
 

PRINCIPLE #8:  MONITORING AND ASSESSMENT
Monitoring shall be conducted -- appropriate to the scale and intensity of forest management -- to assess the condition of the forest, yields of forest products, chain of custody, management activities and their social and environmental impacts.
 
8.1   The frequency and intensity of monitoring should be determined by the scale and intensity of forest management operations as well as the relative complexity and fragility of the affected environment.  Monitoring procedures should be consistent and replicable over time to allow comparison of results and assessment of change.

8.2   Forest management should include the research and data collection needed to monitor, at a minimum, the following indicators:
  a)  Yield of all forest products harvested.
b)  Growth rates, regeneration and condition of the forest.
c)  Composition and observed changes in the flora and fauna.
d) Environmental and social impacts of harvesting and other operations.
e)  Costs, productivity, and efficiency of forest management.

8.3   Documentation shall be provided by the forest manager to enable monitoring and certifying organizations to trace each forest product from its origin, a process known as the "chain of custody."

8.4   The results of monitoring shall be incorporated into the implementation and revision of the management plan.

8.5 While respecting the confidentiality of information, forest managers shall make publicly available a summary of the results of monitoring indicators, including those listed in Criterion 8.2.
 

PRINCIPLE 9: MAINTENANCE OF HIGH CONSERVATION VALUE FORESTS
Management activities in high conservation value forests shall maintain or enhance the attributes which define such forests.  Decisions regarding high conservation value forests shall always be considered in the context of a precautionary approach.

9.1 Assessment to determine the presence of the attributes consistent with High Conservation Value Forests will be completed, appropriate to scale and intensity of forest management.

9.2 The consultative portion of the certification process must place emphasis on the identified conservation attributes, and options for the maintenance thereof.

9.3 The management plan shall include and implement specific measures that ensure the maintenance and/or enhancement of the applicable conservation attributes consistent with the precautionary approach.  These measures shall be specifically included in the publicly available management plan summary.

9.4 Annual monitoring shall be conducted to assess the effectiveness of the measures employed to maintain or enhance the applicable conservation attributes.
 

PRINCIPLE # 10: PLANTATIONS
Plantations shall be planned and managed in accordance with Principles and Criteria 1 - 9, and Principle 10 and its Criteria. While plantations can provide an array of social and economic benefits, and can contribute to satisfying the world's needs for forest products, they should complement the management of, reduce pressures on, and promote the restoration and conservation of natural forests.

10.1 The management objectives of the plantation, including natural forest conservation and restoration objectives, shall be explicitly stated in the management plan, and clearly demonstrated in the implementation of the plan.

10.2 The design and layout of plantations should promote the protection, restoration and conservation of natural forests, and not increase pressures on natural forests.  Wildlife corridors, streamside zones and a mosaic of stands of different ages and rotation periods, shall be used in the layout of the plantation, consistent with the scale of the operation.  The scale and layout of plantation blocks shall be consistent with the patterns of forest stands found within the natural landscape.

10.3 Diversity in the composition of plantations is preferred, so as to enhance economic, ecological and social stability. Such diversity may include the size and spatial distribution of management units within the landscape, number and genetic composition of species, age classes and structures.

10.4 The selection of species for planting shall be based on their overall suitability for the site and their appropriateness to the management objectives. In order to enhance the conservation of biological diversity, native species are preferred over exotic species in the establishment of plantations and the restoration of degraded ecosystems.  Exotic species, which shall be used only when their performance is greater than that of native species, shall be carefully monitored to detect unusual mortality, disease, or insect outbreaks and adverse ecological impacts.

10.5 A proportion of the overall forest management area, appropriate to the scale of the plantation and to be determined in regional standards, shall be managed so as to restore the site to a natural forest cover.

10.6 Measures shall be taken to maintain or improve soil structure, fertility, and biological activity. The techniques and rate of harvesting, road and trail construction and maintenance, and the choice of species shall not result in long term soil degradation or adverse impacts on water quality, quantity or substantial deviation from stream course drainage patterns.

10.7 Measures shall be taken to prevent and minimize outbreaks of pests, diseases, fire and invasive plant introductions.  Integrated pest management shall form an essential part of the management plan, with primary reliance on prevention and biological control methods rather than chemical pesticides and fertilizers. Plantation management should make every effort to move away from chemical pesticides and fertilizers, including their use in nurseries.  The use of chemicals is also covered in Criteria 6.6 and 6.7.

10.8 Appropriate to the scale and diversity of the operation, monitoring of plantations shall include regular assessment of potential on-site and off-site ecological and social impacts, (e.g. natural regeneration, effects on water resources and soil fertility, and impacts on local welfare and social well-being), in addition to those elements addressed in principles 8, 6 and 4.  No species should be planted on a large scale until local trials and/or experience have shown that they are ecologically well-adapted to the site, are not invasive, and do not have significant negative ecological impacts on other ecosystems. Special attention will be paid to social issues of land acquisition for plantations, especially the protection of local rights of ownership, use or access.

10.9 Plantations established in areas converted from natural forests after November 1994 normally shall not qualify for certification.  Certification may be allowed in circumstances where sufficient evidence is submitted to the certification body that the manager/owner is not responsible directly or indirectly of such conversion.
 
The FSC Founding Members and Board of Directors ratified principles 1-9 in September 1994.

The FSC Members and Board of Directors ratified principle 10 in February 1996.

The revision of Principle 9 and the addition of Criteria 6.10 and 10.9 were ratified by the FSC Members and Board of Directors in January 1999.

The definition of Precautionary Approach was ratified during the 1999 FSC General Assembly in June 1999.

GLOSSARY

Words in this document are used as defined in most standard English language dictionaries. The precise meaning and local interpretation of certain phrases (such as local communities) should be decided in the local context by forest managers and certifiers. In this document, the words below are understood as follows:

Biological diversity:  The variability among living organisms from all sources including, inter alia, terrestrial, marine and other aquatic ecosystems and the ecological complexes of which they are a part; this includes diversity within species, between species and of ecosystems. (see Convention on Biological Diversity, 1992)

Biological diversity values:  The intrinsic, ecological, genetic, social, economic, scientific, educational, cultural, recreational and aesthetic values of biological diversity and its components. (see Convention on Biological Diversity, 1992)

Biological control agents:  Living organisms used to eliminate or regulate the population of other living organisms.

Chain of custody:  The channel through which products are distributed from their origin in the forest to their end-use.
 
Chemicals:  The range of fertilizers, insecticides, fungicides, and hormones which are used in forest management.
 
Criterion (pl. Criteria):  A means of judging whether or not a Principle (of forest stewardship) has been fulfilled.
 
Customary rights:  Rights which result from a long series of habitual or customary actions, constantly repeated, which have, by such repetition and by uninterrupted acquiescence, acquired the force of a law within a geographical or sociological unit.

Ecosystem:  A community of all plants and animals and their physical environment, functioning together as an interdependent unit.

Endangered species: Any species which is in danger of extinction throughout all or a significant portion of its range.

Exotic species: An introduced species not native or endemic to the area in question.

Forest integrity:  The composition, dynamics, functions and structural attributes of a natural forest.

Forest management/manager:  The people responsible for the operational management of the forest resource and of the enterprise, as well as the management system and structure, and the planning and field operations.

Genetically modified organisms:  Biological organisms which have been induced by various means to consist of genetic structural changes.

Indigenous lands and territories:  The total environment of the lands, air, water, sea, sea-ice, flora and fauna, and other resources which indigenous peoples have traditionally owned or otherwise occupied or used. (Draft Declaration of the Rights of Indigenous Peoples: Part VI)

Indigenous peoples: "The existing descendants of the peoples who inhabited the present territory of a country wholly or partially at the time when persons of a different culture or ethnic origin arrived there from other parts of the world, overcame them and, by conquest, settlement, or other means reduced them to a non-dominant or colonial situation; who today live more in conformity with their particular social, economic and cultural customs and traditions than with the institutions of the country of which they now form a part, under State structure which incorporates mainly the national, social and cultural characteristics of other segments of the population which  are predominant." (Working definition adopted by the UN Working Group on Indigenous Peoples).

High Conservation Value Forests: High Conservation Value Forests are those that possess one or more of the following attributes:
a) forest areas containing globally, regionally or nationally significant :
concentrations of biodiversity values (e.g. endemism, endangered species, refugia); and/or
large landscape level forests, contained within, or containing the management unit, where viable populations of most if not all naturally occurring species exist in natural patterns of distribution and abundance
b) forest areas that are in or contain rare, threatened or endangered ecosystems
c) forest areas that provide basic services of nature in critical situations (e.g. watershed protection, erosion control)
d) forest areas fundamental to meeting basic needs of local communities (e.g. subsistence, health) and/or critical to local communities’ traditional cultural  identity (areas of cultural, ecological, economic or religious significance identified in cooperation with such local communities).

Landscape:  A geographical mosaic composed of interacting ecosystems resulting from the influence of geological, topographical, soil, climatic, biotic and human interactions in a given area.

Local laws: Includes all legal norms given by organisms of government whose jurisdiction is less than the national level, such as departmental, municipal and customary norms.

Long term:  The time-scale of the forest owner or manager as manifested by the objectives of the management plan, the rate of harvesting, and the commitment to maintain permanent forest cover.  The length of time involved will vary according to the context and ecological conditions, and will be a function of how long it takes a given ecosystem to recover its natural structure and composition following harvesting or disturbance, or to produce mature or primary conditions.

Native species: A species that occurs naturally in the region; endemic to the area.

Natural cycles: Nutrient and mineral cycling as a result of interactions between soils, water, plants, and animals in forest environments that affect the ecological productivity of a given site.

Natural Forest:  Forest areas where many of the principal characteristics and key elements of native ecosystems such as complexity, structure and diversity are present, as defined by FSC approved national and regional standards of forest management.

Non-timber forest products: All forest products except timber, including other materials obtained from trees such as resins and leaves, as well as any other plant and animal products.

Other forest types: Forest areas that do not fit the criteria for plantation or natural forests and which are defined more specifically by FSC-approved national and regional standards of forest stewardship.

Plantation:  Forest areas lacking most of the principal characteristics and key elements of native ecosystems as defined by FSC-approved national and regional standards of forest stewardship, which result from the human activities of either planting, sowing or intensive silvicultural treatments.

Precautionary approach:   Tool for the implementation of the precautionary principle.

Principle:  An essential rule or element; in FSC's case, of forest stewardship.

Silviculture:  The art of producing and tending a forest by manipulating its establishment, composition and growth to best fulfil the objectives of the owner.  This may, or may not, include timber production.

Succession: Progressive changes in species composition and forest community structure caused by natural processes (nonhuman) over time.

Tenure:  Socially defined agreements held by individuals or groups, recognized by legal statutes or customary practice, regarding the "bundle of rights and duties" of ownership, holding, access and/or usage of a particular land unit or the associated resources there within (such as individual trees, plant species, water, minerals, etc).

Threatened species:  Any species which is likely to become endangered within the foreseeable future throughout all or a significant portion of its range.

Use rights: Rights for the use of forest resources that can be defined by local custom, mutual agreements, or prescribed by other entities holding access rights. These rights may restrict the use of particular resources to specific levels of consumption or particular harvesting techniques.


森林管理のための原則と基準(仮訳)

Principles and Criteria for Forest Stewardship(1999年1月改正)−

(仮訳:WWFジャパン)

 はじめに

 森林資源およびそれらを育む土地が、我々および将来世代の様々な要求を満たすよう管理されるべきであることは広く認識されている。その要求範囲は、社会的、経済的、生態学的、文化的、そして精神的分野にまで及ぶ。さらに、消費者は、森林の破壊や劣化に対する関心の高まりにより、木材や他の林産物購入が森林破壊につながるのではなく、むしろ将来の森林資源確保に役立つものとなることを求めるようになってきた。これらの要求に呼応する形で、木材製品の認証および自己申告型の認証プログラムが市場において急増してきたのである。

 Forest Stewardship Council (FSC、森林管理協議会)は、認証期間の主張の信頼性を保証することを目的とした、認証機関を認定する国際的な組織である。認証プロセスは、いかなる場合においても、認証機関によるサービスを希望する森林所有者や管理者により自発的に始められるものである。FSCの目指すものは、森林管理の原則を明確に理解し尊重した国際基準を作成することにより、全世界の森林において、環境に配慮し、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な管理を推進することである。

 「FSCの原則と基準」(以下P&C)は、原則#9および付随の用語解説に記載されているように、熱帯、温帯、亜寒帯全ての地域の森林に適用される。また、その多くは、植林や部分的に再植林された森林にも適用される。このような植生や他の植生に関するより詳細な基準は、国内あるいは地域レベルで作成されるものである。FSCによる認定を求めるすべての認証機関の評価システムおよび基準は、このP&Cを包含するものでなければならない。P&Cは、主に木材製品生産のための森林管理を対象として作成されている一方、非木材生産物や他のサービスのための森林管理も対象としている。P&Cは項目それぞれが考慮されるものであり、その記載順位は優先度を示すものではない。P&Cは、「FSC Statutes (FSCの規約)」、「Procedures for Accreditation (認定手続き)」および「Guidelines for Certifiers (認証機関のためのガイドライン)」と合わせて用いられるものとする。

 FSCおよびFSCにより認定された認証機関は、すべてのP&Cを完全に満たすことを求めているのではない。しかしながら、認証を希望するものが、ある原則から大きく外れている場合、通常認証審査が受けられないかあるいは認証が下りないことになる。これらの決定は個々の認証機関により下されるが、それぞれの基準についての満たされている程度、満たされていない基準の重要性とそれが与える影響とが示される。なお、地域の実情に応じ、多少の柔軟な対応は許容される。

 森林施業の規模と内容、それに関わる資源の特異性および森林生態系の脆弱性については認証評価の全過程で考慮される。P&C解釈にあたっての相違および問題は、国内あるいは地域の森林管理基準に従い検討される。これらの基準は、関連する国あるいは地域で検討され、認証を行うために、認証機関他の関連組織により評価されるものとする。必要に応じ評価の段階において、FSCの問題解決機構に委ねこともできる。認証や認定プロセスに関する詳しい情報やガイドについては「FSCの規約」、「認定手続き」および「認証機関のためのガイドライン」に記載されている。

 FSCのP&Cは、国内・国際法および規則と合わせ用いられなければならない。FSCは、責任をもって行なわれている世界の森林管理を支援する他の取り組みを補足するものであり、それに取って代わろうするものではない。

 FSCでは、以下に示す事項について、その重要性に対する人々の関心を高めるための教育適活動を行う。

 *森林管理を改善する。

 *管理と生産にかかる全費用を林産物価格へ内在化する。

 *森林資源の高度かつ有効な利用を推進する。

 *木の損傷や無駄を削減する。

 *過剰消費や過剰伐採を防止する。

 また、FSCでは、森林管理改善のための規則や政策を含めこれらの事項に関し、政策立案者に対しガイダンスも行なっている。

 

原則 #1:法律とFSCの原則の遵守

 森林管理は、その国のすべての森林関連法およびその国が加盟する全ての国際条約と国際取り決めを遵守するとともに、FSCの原則と基準に沿うものであること。

1.1:森林管理は、全ての国内法、地域の法律および行政の要求事項に従わなければならない。

1.2:関連する法的に規定された料金、ローヤリティ、税そして他の費用は、全て払わなければならない。

1.3:CITES、ILO条約、ITTA、生物多様性条約等の国際的取り決めへの加盟国は、それらで、規定されているすべての事項に従わなければならない。

1.4:法律および規則と「FSCの原則と規準」とが整合しない場合は、認証制度の目的に沿い、各場合に応じ、認証機関及び関連組織により評価されなければならない。

1.5:森林管理地域は、不法伐採、移住(/定住)、そして他の無許可の行為から保護されなければならない。

1.6:森林管理者は、「FSCの原則と規準」を長期にわたり厳守することを立証しなければならない。

原則 #2:保有権、使用権および責務

 土地や森林資源に対する長期にわたる保有や使用の権利は、明確に規定されるとともに文書化され、また法的に確立されること。

2.1:対象となる土地を長期にわたり森林として使用する権利(土地の所有権、慣習上の権利、賃貸契約など)が明確に立証されていなければならない。

2.2:法的、慣習的保有権あるいは使用権を有する地域社会が、地域社会の権利あるいは資源を保全するために、森林施業を継続して統御できなければならない。ただし、地域社会が、自由意志により、情報に基づいた同意を行なった上で、管理を他の機関に委託した場合を除く。

2.3:保有権に関しての主張や使用権に関する論争を解決するため、適切な手段が整備されていなければならない。認証評価の際には、あらゆる未解決論争についての詳細や状況が全て考慮に入れられる。重大な利害関係を含む重要な論争が未解決の場合、通常、管理に関する認証は不的確とされる。

原則 #3: 先住民の権利

 先住民が、彼らの土地やテリトリー、資源を所有、利用、そして管理する法的及び慣習的権利が認められ、尊重されること。

3.1:先住民の土地やテリトリーについては、先住民が森林管理の統御を行えるものとする。ただし、先住民が、自由意志により、情報に基づいた同意をしたうえで、管理を他の機関に委託している場合を除く。

3.2:森林管理は、直接的あるいは間接的を問わず、先住民の資源もしくは保有権を脅かしてはならないとともに縮小してもならない。

3.3:先住民にとり、文化的、生態的、経済的あるいは宗教的に重要な意味をもつ特別な土地に関しては、先住民との間で明確に確認されなければならない。また、森林管理者はこれを承認するとともに、保護しなければならない。

3.4:先住民は、彼等が持つ森林に生息する種の利用方法や、森林の管理方法に関する伝統的な知識が使用された場合には、それらについての代償を受けなければならない。この代償については、森林管理を開始する以前に、先住民の、自由意志による、情報に基づいた正式な同意を得なければならない。

原則 #4: 地域社会との関係と労働者の権利

 森林管理は、林業に従事するものと地域社会が、長期にわたり社会的、そして経済的に十分な便益を得られる状態を継続、あるいは高めるものであること。

4.1:森林管理区域内の地域社会、もしくは隣接する地域社会に、雇用、訓練そして他のサービスを受ける機会が与えられなければならない。

4.2:森林管理は、労働者やその家族の健康や安全に関する全ての翰林法律や関連規則を満たすものでなければならない。

4.3:労働組合を組織し、雇用主との自発的な交渉を行う労働者の権利は、ILO条約第87、98で概説されているように、保証されなければならない。

4.4:管理計画や管理方法は、社会的な影響に関する評価結果に配慮がなされなければならない。森林管理により直接影響を受ける人々やグループとの協議は継続して行わなければならない。

4.5:法的あるいは慣習的な権利、財産、資源、地域住民の所有する家畜などに対し損害を与えた場合における、苦情の処理及び公平な補償が行えるよう適切な方法が整備されていなければならない。このような損害を回避する手段がとられなければならない。

原則 #5・ 森林のもたらす便益

 森林管理は、経済的な継続性と、環境や社会が享受しているさまざまな便益とを確保できるよう、森林から得られる多様な生産物やサービスの効果的な利用を促進するものであること。

5.1:森林管理は、経済的に継続できるように努力されなければならない。またその一方で、生産にかかる全ての環境、社会そして管理費用に配慮するとともに、森林の生態学的な生産性を維持するために必要な投資が確実に行われなければならない。

5.2:森林管理と流通事業は、森林がもたらす多様な生産物を最大限に活用するとともに、地域での生産物の加工を推奨するものでなければならない。

5.3:森林管理は、伐採や現場での加工作業に伴う廃材を最小限に抑え、他の森林資源へのダメージを避けるものでなければならない。

5.4:森林管理は、地域経済の強化と多様化に努め、一つの林産物のみに依存することを避けなければならない。

5.5:森林施業は、森林のもたらす水資源や漁場などのサービス及び価値を、認識し、維持し、高めていくものでなければならない。

5.6:林産物収穫は、永久に持続的であるレベルを超えてはならない。

原則 #6: 環境への影響

 森林管理は、生物の多様性とそれに付随する価値、水資源、土壌、そしてかけがえのない、しかも壊れやすい生態系や景観を保全し、生態学的な機能や森林の健全さを維持するものであること。

6.1:環境へ与える影響の評価は、森林管理の規模や内容、影響を受ける資源の特異性に応じて徹底して行われなければならないとともに、管理システムの中に十分に組み込まれていなければならない。評価は、現場での加工施設による生ずる影響に配慮するとともに、景観レベルでの影響にも配慮されなければならない。環境への影響は、現場での作業が行われる前に評価されなければならない。

6.2:希少種、危急種、絶滅危惧種及びその生息地(例えば、営巣地や採餌場所など)を保護する手段がとられなければならない。保全地域及び自然保護区は、森林管理の規模や内容、影響を受ける資源の特異性に応じて確立されなければならない。不適切な狩猟、釣り、仕掛け罠、採集は取り締まらなければならない。

6.3:生態学的機能や価値は、以下に記載するものを含め、現状が維持されるとともに高められ、あるいは復元されなければならない。

 a)森林の更新と遷移

 b)遺伝子、生物種、生態系の多様性

 c)森林生態系の生産性に影響を及ぼす自然サイクル

6.4:その景観に含まれる現存する代表的な生態系は、森林管理の規模や内容、影響を受ける資源の特異性に応じ、自然のままの状態で保全されるとともに、地図上に示されなければならない。

6.5:下記の事項を守るためのガイドラインが文書化され、実行されなければならない。

 ・侵触の抑制

 ・伐採時での森林損傷、道路建設、そして他の全ての機会による被害を最小限のものと すること

 ・水資源の保全

6.6:管理システムは、環境に配慮した非化学的な病虫害への対処方法を開発し取り入れいくとともに、化学的農薬の使用を避けるよう努めなければならない。世界保健機構で規定されているタイプ1A、1B及び塩素系炭化水素農薬(chlorinated hydrocarbon pesticides)は、残留性が高く有毒であるとともに、その誘導物質(derivatives)は生物的に活性化し続け使用目的をはるかに超えて食物連鎖の過程で蓄積するので、国際条約により禁止されている農薬同様、使用が禁止されなければならない。化学物質を使用する際は、健康と環境に及ぼすリスクを最小限に留めるため、適切な設備と訓練とが整備されていなければならない。

6.7:化学薬品、容器、燃料や油を含む液体、固体の非有機廃棄物は、環境に配慮した適切な方法で管理地域以外の場所に処理されなければならない。

6.8:生物的防除を利用する場合は、その方法が文書化されるとともに、その利用は最小限に留められ、モニタリングされなければならないとともに、国内法及び国際的に認められた科学的取り決めに従い厳しく管理されなければならない。なお、遺伝子学的に生命体を変化させることは禁止されなければならない。

6.9:外来種の利用は、生態系への悪影響を避けるため、慎重に管理され、頻繁にモニタリングされなければならない。

6.10:森林を植林や他の土地利用へ転換させてはならない。但し、下記の場合を除く:

 a)森林管理区域のごく限られた範囲で行われる場合

 b)保護価値の高い森林区域が除かれている場合

 c)森林管理区域において、長期的な保護による恩恵が、明らかに、十分に、より一層   そして確実にもたらされる場合

原則 #7: 管理計画

 森林において実施される事業の規模と内容に応じた適切な管理計画が文書化され、それに沿って事業が実施され、また、常に更新されること。また、長期的な見地に立った管理目標、目標達成のための手段が明確に提示されること。

7.1:管理計画及びその支持文書(suporting documents)では、以下のことについて触れなければならない。

 a)管理目的。

 b)管理対象となる森林資源、環境に関する制限、土地利用と所有状況、社会経済的状   況、隣接地の概略についての記載。

 c)当該森林の生態及び自然資源調査により収集された情報に基づく、育林あるいは他   の管理システムについての記載。

 d)年間伐採量及び樹種選択の理論的根拠。

 e)森林の成長及び動態に関するモニタリングを行うにあたっての規定。

 f)環境評価に基づく環境保護方法。

 g)希少種、危急種及び絶滅危惧種の同定と保護に関する計画。

 h)保護地域、管理計画、土地所有形態を含む森林資源に関する基本情報が記載された   地図。

 i)導入される伐採技術と設備についての記載とその事由。

7.2:管理計画は、環境、社会、経済状況の変化に対応するとともに、モニタリング結果、あるいは最新の化学的知見・技術情報に配慮し、定期的に改訂されなければならない。

7.3:林業従事者は、管理計画を確実に実行するにあたり、適切な訓練と指導をうけなければならない。

7.4:情報の秘密性を尊重する一方、森林管理者は、規準7.1で挙げたような事項を含む管理計画についての基本的事項の概要を公開しなければならない。

原則 #8: モニタリングと評価

 森林管理の規模と内容に応じた適切なモニタリングが、森林の状態、林産物の生産量、生産・加工・流通各段階、管理作業およびそれらが社会や環境に与える影響を評価するために行われること。

8.1:モニタリングの頻度とその内容は、影響を受ける環境の相対的な複雑性や脆弱性とともに、森林施業の規模と内容に配慮して決定されるものとする。モニタリング方法は、結果が比較でき、変化が評価できるようにできるように、首尾一貫しているとともに反復できるものでなければならない。

8.2:森林管理は、少なくとも以下に示すような、モニタリングに必要な調査とデータ収集を含むものとする。

 a)収穫された全ての林産物の生産量

 b)森林の成長、更新及び森林の状態

 c)動植物の構成状態と観測された変化

 d)収穫及び他の作業いより生じる環境と社会への影響

 e)森林管理にかかる費用、森林管理の生産性その効率性

8.3:モニタリング、および認証を行う機関が各々の林産物をその起源から追跡すること−“生産・流通・加工(“chain of custody”)過程”として知られている−が可能となるような文書が森林管理者により作成されなければならない。

8.4:モニタリング結果は、管理計画の実行及び改訂に反映されなければならない。

8.5:情報の秘密性を尊重する一方、森林管理者は、規準8.2で挙げたような事項を含む指標のモニタリング結果についての概要を公開しなければならない。

原則 #9: 保護価値の高い森林の保存

 保護価値の高い森林の管理は、その森林の特質を維持、または高めるものでなければならない。保護価値の高い森林に関する決定は、常に慎重に行わなければならない。

9.1 保護価値の高い森林の特質を判断する際、森林管理の規模および内容に応じた評価が不備なく行われるものとする。

9.2:認証過程においては、認められる保護特質、およびその維持おための諸手法についての協議が重点的になされなければならない。

9.3:管理計画は、特質が確実に維持され高められるよう、慎重な措置を盛り込むとともに、実施されなければならない。この措置は、公開される管理計画概要に具体的に明示されなければならない。

9.4:年に一度のモニタリングが実施され、保護特質が維持され高めるように取られている措置が効果的なものであるかどうかが評価されなければならない。

原則 #10: 植林

 植林は、原則の1から9及び原則10とその規準とに従って計画および管理されるものとする。植林は、社会的、そして経済的便益を提供し、世界の林産物需要を満たすとともに、天然林の管理を補助し、天然林への利用圧を軽減し、その復元および保全を推進するものであること。

10.1:天然林の保全及び復元の目的を含む植林の管理目的が、管理計画に明確に述べられるとともに、それが確実に実行されなければならない。

10.2:植林の計画と配置は、天然林の保護、復元そして保全を促進するものでなければならず、天然林への利用圧を増加するものであってはならない。植林の配置にあたっては、森林施業の規模にあわせ、野生生物のコリドー、河岸地帯、異なった林齢・伐期のモザイク的な配置が採り入れられなければならない。植林区画の規模と配置は、当該する自然景観内で見られる林分パターンと整合したものでなければならない。

10.3:経済的、生態的、社会的安定性を高めるように、植林の構成は多様であることが望まれる。このような多様性には、その景観内での管理区画の規模や配置、種の数と種の遺伝的構成、林齢及び構成があげられる。

10.4:植林のための樹種の選択は、その場所への総体的な適合性及び管理目的に合致しているかの判断に基づいて行わなければならない。生物の多様性をより保全していくためには、植林及び劣化した生態系の復元においては、外来種よりも在来種の方が好ましい。外来種は、在来種の果たす役割を上回るときに限り導入するものとし、導入した場合は、通常ではまれである大量枯損、病虫害の発生及び生態系への悪影響の発生について注意深くモニタリングしなければならない。

10.5:森林管理区域全体のバランスは、植林の規模に対して適切であるとともに地域の基準により決められるが、その区域が自然状態での森林被覆へと復元されるように管理されなければならない。

10.6:土壌状態、土壌産出力そして生物学的活動を維持あるいは高めるための手段が講じられなければならない。伐採の技術やその割合、道路の建設と維持管理、そして樹種の選択により、長期的な土壌の劣化、水・水量への悪影響あるいは流路の大幅な逸脱がもたらされてはならない。

10.7:病虫害の発生、火災、あるいは植物の移入を防ぐための手段が講じられなければならない。統合的な病中害管理が管理計画の基礎部分を形作るものであるが、化学的薬物や化学肥料の使用よりも、先ずは予防を行い生物的防除手段を用いなければならない。苗畑も含め、植林管理では、科学的薬物や化学肥料の使用を極力避けなければならない。化学物質の使用については、規準6.6と6.7でも触れられている。

10.8:施業の規模と多様性により、植林についてのモニタリングには、規準8.6と4

で扱われている内容に加え、現場内外における潜在的な生態学的、社会的影響(例えば、天然更新、水資源と土壌生産力への影響、地域生活と社会福祉への影響等)についての定期的な評価が含まれなければならない。どのような樹種であっても、その樹種が、その地域に生態学的に適合し、他を侵略するものでもなく、他の生態系に深刻な悪影響を及ぼさないものであるという地域的試験や実績が示されない限り、大規模な植林を行ってはならない。植林のための土地取引きに関する社会的問題、特に土地の所有、利用、アクセスに関する地域住民の権利の保護については、特別の注意を払わなければならない。

10.9:1994年11月以降に天然林から転換された植林は、通常、認証の対象とはならない。植林への転換に関し、森林の管理者/所有者に直接あるいは間接的責任が無いという十分な証拠が認証機関に提出される場合は、認証の対象となることがある。

 原則#1から#9は、1994年9月にFSC創設メンバーと理事会により批准されたものであり、原則#10は1996年2月にFSCメンバーと理事会により批准されたものである。 また、原則#9および追加規準6.10、10、9は1999年1月にFSCメンバーと理事会により批准されたものである。