「中央環境審議会地球環境部会2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会及び産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループの合同会合」第6回会合 、3月30日 議事録抄(森林関係

○山地座長  ありがとうございました。では、引き続いて資料5、農水省さんから説明をお願いいたします。.
○木内環境政策課長  資料5でございます。農林水産分野における今後の地球温暖化対策について、森林吸収源等と書いてございますが、森林吸収源対策とあわせて、省エネ対策についてもご説明をさせていただきます。.
 3ページ目でございます。森林吸収源対策についてご説明いたします。箱の左側にございますように、ご存知のとおり京都議定書第1約束期間においては、全体で6%の温室効果ガスの削減義務を負いましたけれども、このうち3.8%を森林吸収源で確保いたしました。このため当初予算に加え、補正予算などを活用して、年平均55万ヘクタールの間伐などの森林整備、保安林などの適切な管理、保全の推進、それから木材及び木質バイオマス利用の推進などの森林吸収源対策に取り組んできました。この結果、3.8%の目標は達成いたしました。.
 右側の第2約束期間でございますが、この最終年である2020年度における温室効果ガスの削減目標については、2005年比で3.8%削減するということは皆さんご存じのとおりだと思います。.
 森林吸収源につきましては、2.8%以上の吸収量を確保することを目標に掲げており、この達成のためには年平均52万ヘクタールの間伐などの森林吸収源対策が必要です。2020年以降の新たな法的枠組みのもとでも森林吸収源対策が十分貢献できるように、第2約束期間の取り組みを着実に実施する必要があると考えております。.
 次の4ページ目でございます。森林吸収源対策の取り組みのうち、代表的なものを書いてございます。これらの取り組みの着実な実施のためには、安定的な財源確保が課題となっております。.
 5ページ、6ページにつきましては、ご参考としまして森林吸収源に関する現行の国際ルールのポイント、それから我が国の法的枠組みについてまとめたものでございます。.
  次の9ページでございます。吸収源対策でございます。森林の吸収量の目標のうち、2020年までにつきましては4,400万t―CO2としていますが、これは2013年から2020年までの国際ルールで定められた上限である90年比3.5%をCO2トンに換算したものであります。.
 また、2020年以降の目標につきましては、現在の森林の状況に加えて、今後の森林、林業施策も見据えつつ算定する必要がありまして、現在、大変恐縮ですが、作業を進めているところでございます。.
○末吉委員(UNEP金融イニシアティブ特別顧問)  ありがとうございます。いただいた2分のうち1分、先ほど私のコメントにお2人の委員からご意見がありました。ちょっと補足説明させていただきます。.
 それから、森林吸収源対策のことで申し上げますと、ぜひ間伐材などを使う木質バイオマスの発電はもっと進めていくべきではないかと思っておりますし、それから家畜の排せつ物のメタンなどの活用もぜひ進めていければいいと思っております。.
○原澤委員(国立環境研究所理事) 
 それで、先ほどの資料の7ページには、既に出されている2005年度比3.8%減の中にも、もう既に二国間クレジット、あるいは森林吸収源の活用という項目が入っておりますので、そういう意味では約束草案の中にも入っていくだろうと思うのですけれども、そこの点を確認したいのと、前回の3.8%減の中で、二国間クレジット制度がどの程度の役割分担といいますか、何%入っているか、もし今の段階でお話しいただけるのであれば、ちょっとお聞きしたいというのが質問であります。.
○高村委員(名古屋大学教授)  3点ございます。.・・・
 最後に、森林等吸収源の対策についてでありますが、これもいうまでもなく非常に重要で、温暖化対策だけではなくて森林の多面的機能をどのように発揮するか、それから農村部の地域づくりの点であります。.
○高橋委員(連合副事務局長)  ありがとうございます。1点質問と2点意見がございます。.・・・ 次の意見ですが、森林吸収源の対策については、先ほどご説明がありましたように、多面的機能の1つとして地球温暖化の低減には寄与していると思っておりますし、これには持続可能な森林経営の確立と森林のもつ多面的機能の持続的な発揮が不可欠だろうと思います。.
 しかしながら、そのための必要な財源が確保できていないことが問題であり、先ほどの説明でもありましたように、当初予算だけでは措置できなくて、毎年平均して1,000億程度の補正予算で補っているというような状況がございます。やはりこのように長期間にわたって補正予算で不足分を補っているという経緯を踏まえれば、この対策は予算シーリングの対象とせずにしっかりと毎年当初予算化して財源を安定させるべきではないかと思います。.
○豊田委員(日本エネルギー経済研究所理事長)  ・・・ 2つめの懸念は、森林吸収源対策です。これ自身は非常に結構なことだと思います。ぜひ農水省さん、林野庁さん、一生懸命進めていただけることを歓迎したいと思うのです。しかし一方で、先ほど申し上げた再生エネルギーと同様に、コストは非常に気になる点でございまして、高橋委員から財源という言葉がございましたが、私自身はコストを無視した過大なものにならないようにぜひ気をつけていただきたいと思います。.
○竹内委員(NPO国際環境経済書理事・主席研究員)  ありがとうございます。JCMと森林吸収、私はともに積極的に検討、対策を進めていただきたいと思う一方で、両方とも約束草案に盛り込むということについては、やはり慎重に判断することが必要であろうかと思います。.
 森林吸収についてですが、実は私、京都第1約束期間の当時は森林保全の仕事をしておりまして、ある日突然、県を経由して京都議定書の第1約束期間には間伐等の作業を進めていただきたいので、補助金をつけますというお話がまいりまして、森林というのは長年ちょっとずつ手入れをするというような時間軸で生きているものですから、約束期間の間、補助金をいただけるといってもなというように逆に困ってしまったような記憶がございます。.
 日本の森林が今抱えている問題というのは、補助金をふやすことによって解決できる問題でもないと認識しております。森林吸収を目標値に参入して森林整備に向けた弾みをつけるという考え方は若干、日本の林業の実態を踏まえていないようにも思いますし、森林の時間軸にも合わないとも思いますので、目標参入という点についてはちょっと慎重に議論する必要があると思っております。.
○佐藤委員(弁護士) 
 ・・・ それから、森林についてなのですが、農林水産部門についてですが、この分野は国内の産業の育成ということも関連がございますので、ある程度評価していきたいと思います。ただし、再生可能エネルギーのところでも農業、林業に対する考え方が入っていると思いますので、重複的な問題は避けたほうがいいと思います。特に林業の場合には、今まで林業の育成という名目のもとで、林道の整備とか砂防ダムの整備というように若干公共工事に偏った投資がされているように思いますので、その点も注意していただきたいと思います。.
○崎田委員(ジャーナリスト環境カウンセラー) ・・・ 最後に1点、森林吸収のところなのですけれども、先ほどお話ししたように、地域からいろいろ取り組んでいると、森林の伐採、間伐などをきちんとやりながら地域のエネルギーをつくっていくというようなことが、これからもエネルギーの分野でも大変大事なわけですが、やはりうまくいっている事例がまだまだ少ない。これが二酸化炭素ということで資料を作成して頂いてますけれども、そういう地域の核をきちんと作り活性化につなぐようこの制度を運用していただく配慮をしっかりしていただくのが大事なのではないかと強く思っております。その辺について、ぜひご検討いただければと思っております。よろしくお願いします。.
○木村委員(経団連環境安全委員会委員長) ・・・ それから、森林吸収源対策ですけれども、森林はいろいろな意味で多面的な機能を有しています。森林保全は非常に重要であるし、地球温暖化対策は森林の多面的な機能のうちの1つであると思っています。.
○小倉委員(市川代理) ・・・  次に、森林吸収源の問題でございます。財源対策の議論がございましたので、申し上げます。森林の多面的機能は我々も大変重要だと思っております。したがって、それにふさわしいような財源のあり方を是非とも議論していただきたいと考えております。この財源問題について、累次にわたりさまざまな議論が繰り返されてきておりました。ただし、立ち入った話で恐縮でございますけれども、この財源の問題というのは、旧政権下におきまして、かつて林野庁当初予算で3,600億円とか3,700億円ぐらいあった予算が2,700億円とか2,600億円ぐらいまで減ってしまったというところが一番の問題の発端だと思います。したがって、これは予算の優先順位の問題として減らされてしまったということでございます。したがって、もう一度、政府の中でご議論いただきまして、予算の中の優先順位を上げていただいて、必要な予算を確保していくというプロセスが絶対的に必要であろうと思います。.
○秋元委員 ・・・ 森林吸収についても非常に大事な対策という認識は強くもっているわけです。ただ、やはり費用対効果がどうなのかというのは、京都議定書のときも費用対効果が非常に悪いという数値が出てきたりして、もちろんCO2削減以外のコベネフィットはあるわけで、その辺をどう考えるかということによりますけれども、費用対効果が非常に悪いという数字も出ていますので、やはり費用対効果が考えられる範囲の中でやっていくということは非常に重要だと思いますので、その辺、慎重に検討をお願いしたいと思います。.
○桂川計画課長  林野庁、計画課長でございます。では、私からお答えさせていただきます。. まず、末吉委員からは、木質バイオマスの推進についてご意見をいただきまして、ありがとうございます。こちらにつきましては、私どもも発電だけではなく熱利用ということを含めて積極的に推進してまいりたいと思っております。.
 高村委員、崎田委員から、森林吸収源対策は大いに推進すべきであるけれども、1つのビジネスモデルとして成立していくようなもの、補助金に依存するだけではないものが必要ではないのかというお話がございました。林業についての補助といいますのは、森林の適切な維持管理、保全ということが財産形成ということだけではなく、水源の涵養や国土の保全といった外部経済効果をもたらすということから補助の対象ともなっているわけでございますが、当然、経済的にも自立できることが望ましいのはいうまでもございません。.
 そういうことで、林野庁といたしまして、現在、林業の成長産業化ということで、この10年間、国産材の自給率も年々向上している状況の中で、この追い風をつかまえて、うまく国産材需要の掘り起こしにあわせた効率的、安定的な木材供給、再生可能エネルギーとしての木質バイオマスを含めたモデルづくりなど、きちんと経済的に自立し得る産業としての林業、木材産業づくりに取り組んでいるところでございます。.
 高橋委員、木村委員、小倉委員から、森林吸収源対策の財源のことについてのお話がございました。高橋委員からお話がございましたように、補正予算に相当部分を頼らざるを得なかったというのが第1約束期間の実態でございます。これにつきまして、国民全員で負担すべきものではないか、あるいは予算のアロケーションの問題ではないかというようなご意見がございました。私どもとしましても、特定の方法だけに焦点を合わせているということではなく、当然、予算要求の中で、あるいは税制改正要望も出させていただいておりますけれども、森林環境税といったようなものを含めて、財源の確保に向けていろいろな取り組みをさせていただいているところでございます。.
 豊田委員、秋元委員から森林吸収現対策のコストについて、一定の範囲の中でやるべきではないのか、あるいはコストをより低減させるべきではないのかというようなお話がございました。こちらにつきましては、私どもは、必要なものは必要だと思うわけでございますが、当然コストの削減に向けた取り組みをさせていただきますし、また、そうした中で最大限努力をさせていただきたいと思っております。.
 そして、竹内委員からは森林吸収源対策について、林業の時間軸、森林が抱える時間軸から考えて、補助金で解決するような問題ではないのではないかといったようなご意見がございました。こちらにつきまして申し上げれば…….
○山地座長  済みません、時間をかなりオーバーしているので、簡潔にお願いします。.
○桂川計画課長  わかりました。第1約束期間、いささか手入れがおくれていたような森林を含めて整備をすることによって3.8%獲得できたものだと思っております。確かにそのために急に手入れをしたりしなかったりというものではなく、林業としてしっかり長時間の軸をみて取り組んでいくものであると思っておりますので、そういう形で取り組みをさせていただきたいと思っております。.
 佐藤委員に対するお答えも同様でございます。.
○浅野小委員長(福岡大学名誉教授) ・・・森林吸収源の問題に関しても、京都議定書のときは、とにかく森林の手入れをすれば一定量の吸収を評価してもらえた。5年間の計画でしたからそれでよかったのですが、これから15年先のことまで考えたときに、同じようなことを繰り返してくだけでいいかという議論が必要だと感じました。.