世界で初めて大学演習林のFSC森林認証 東京農工大学演習林new

12月16日に東京農工大学の演習林が国内四件目のFSC認証をうけた授与式が行われました。面積は902ヘクタール。これで我が国のFSC認証森林は四件7千ヘクタールを超える面積となりました。大学の演習林の認証は世界でもはじめてのことだそうです。(同大学農学部フィールドサイエンス教育研究センター教授岸洋一先生)
日刊木材新聞11月28日付け報道 林材新聞11月14日付け報道

大学の演習林のFSC認定が初めてとはちょっと意外です。どこの演習林も経営理念やその根拠となるバックデータを整理することはお手の物でしょうから、FSC認証を取得するための意志決定と予算さえあれば認証することにそんなハードルは高くはないのだと思っていました。たぶん、「意志決定」すなわち認証の動機のところがいろいろ難しいのでしょう。プライドの高い高等教育機関が第三者認定を受ける動機は何か。その辺のところを、 前演習林長木平勇吉現日本大学生物資源科学部教授は記念講演の中で次のように話されています。農工大演習林が森林認証FSCを取得した意義は、第1に、今回の森林認証は商売抜きの認証だったこと(森林環境志向型FSC)、第二に「絶滅の危惧の演習林」の再生の機会であること、第三に管理者、教職員の森林管理への新しい挑戦に向けての意識改革の機会であること。講演要旨
演習林が林業森林分野の研究の場であり、また若い研究者や技術者の教育の場であることを考えると、認証過程やこの後のフォローアップの過程に関わることは今後の我が国の森林の認証に大きなインパクトがあるものと考えます。今後、学会や一般の広報手段で十分な情報公開がされることを期待いたします。