各作業の環境的取り扱い
速水林業の環境方針に基づいて、下記の作業取り扱いを実行する。この取り扱いの前提は安全確保が重要であることはまずここに明記しておく。次に環境的配慮と生産性の向上を共に図ることを目的としている。
 
1,皆伐
@伐採準備のための下刈りに於いては可能な限り下草、広葉樹を残すこと。
A林内あるいは隣接する小河川の周辺の下草は河川から5mを目標として残すこと。
B伐採木の残枝等は河川に放置せず、可能な限り林内に戻す。
C再造林しても生長量の望めない場所は伐採せず残し、場合によっては広葉樹に植生を誘導していく。
 
2,地拵え
@可能な限り広葉樹を残す。
A枯れ木等は施業に障害のでない限り林内に残す。
B表土の掻き起こしをさける。
C能率を上げるため必要以上の地拵えをさける。
3,植え付け
@活着をはかるため苗木の乾燥を防ぐ。
A苗木の選択は林分の将来を決定する大きな要素であるため充分に配慮する。
B森林動物の食害から苗木を守るための措置を必要に応じて的確に取ること。
4,下刈り
@林分の状況を判断し方法を決定すること。
A必要以上の下刈りはさける。
B広葉樹は陽樹の生長を妨げない限り残す。
C下草、広葉樹等に鳥類の営巣が見られるときは周辺を含めて作業を配慮する。
5,除間伐
@植栽木、下草、中間層の広葉樹等の状況に常に注意をはらい適性本数を維持する。
A密度管理は伐期を考慮して実行する。
B間伐のための下刈りは原則実行しない。
C下刈りを実行するときは必要最低限にとどめる。
D間伐木の搬出は残存木の傷を防ぐように配慮する。
E除伐木の選定は枝打ちの施されていないもの、明らかな劣性木を対象に行う。
F除伐木は土留めの為、林内に等高線沿いに幹が地面に着くように置いておく。
6,枝打ち
@枝打ちの目的は無節材生産であるが、同時に枯れ枝から入る害虫の防除も兼ねる。
A枝打ち対象の木に鳥類の営巣が有る場合は営巣の妨げにならないように配慮する。
 
 
7,造材
@伐採した木材が最も高い価格で取引されるよう常に市場価格を把握し、それに適合した採材に努めると共に、伐採された木材が出来るだけ有効利用されるよう、新たな木材利用等にも努めていく。
8,車両、機械類に関して
@林業機械は常時整備点検を怠らないこと。
A稼働に関して生産性の向上を図りながら稼働時間を最小になるようする。
B使用する油脂類は自然環境に対する影響が小さい製品に可能な限り転換していく。
C機械類の整備時に油類の林内への流失を防止すること。
D車両の不必要なアイドリングは禁止する。
E車両走行中の野生生物との遭遇時は生物を傷つけないよう注意する。
9,搬出作業
@搬出作業は地形・林分の状態・林道の配置・集材距離等を総合的に配慮し、最も効率の良い方法を選択すると共に対象林分及び周辺環境に悪影響の及ばない作業に配慮を行う事とする。
A機械を林道上で使用すると路面が痛んだり、横断溝に土砂が堆積したりするため、目的とする作業が終わり次第元どおりに補修する。また、作業中そろような状況をまねかないよう十分に注意する。
B間伐木搬出の際、林道、その路肩等を痛めぬよう十分に配慮する。
10,一般的注意
@林内にワイヤー、空缶、石化製品(ビニール・プラスチック等)、吸い殻等人工的なゴミを放置する事を禁止しする、これらは毎日持ち帰り適正に処理を行う。
A林内での焚き火は可能な限り行わないことが求められるが、冬期焚き火で暖を取る場合は防火の準備を事前に行い、延焼の恐れのない場所を選んで行う。また最後には必ず消火状況を確認すること。
B速水林業の職員以外の者が林内で作業を行っている場合、あるいは何らかの行為を行っている場合で環境的配慮が欠落している場合はその旨を指摘し改善を可能な限り要求する。
C自らの環境的配慮に基づく行動に責任を持つことは当然だが、他人の不注意な行為の結果も黙殺せず改善の努力を行うこと。